VYM(高配当米国株式ETF)と配当成長する個別株、どちらが配当金生活に向いている?

 

大型株で高配当の米国株ETFであるVYMを知っている方も多いと思いますが、VYMはバンガードのETFの中でも利回りが高いです。

 

配当金生活をするのであれば、景気などに関係なく安定した配当収入というものは非常に重要です。

 

景気がよいときに多額の配当金が支払われても、不景気になれば大きく減配するような銘柄への投資は配当金生活には不向きです。

 

VYMのような大型株で高配当の米国株式ETFは比較的分配金も高く、安定していますが、やはり分配金額というのは景気に左右されてしまいます。

 

一方で、伝統的に連続増配してきたような企業である企業は景気後退期でも減配の可能性は少ないと予想される。

 

配当金生活するにはVYMなどのようなETFへ投資して分配金を得るのか、連続増配企業のように配当成長する企業への個別株投資するのと、どちらがよいのでしょうか?

 

 

VYMの分配金の推移(2006年以降)、リーマンショック以降の数年は分配金は減少

VYM分配金推移2006-2019

 

上記のグラフをみてもわかるように、VYMの分配金は安定していません。

2008年のリーマンショック以降は、VYMの分配金額も減少していて、2010年が分配額が最低だったのだけど、約25%も減りました。

 

次にリーマンショック発生の年の2008年の分配金を上回るのは2012年。

4年かかってるということですね。

 

VYMの分配金で配当金生活しようと考えるのであれば、25%ほど分配金が減少しても問題ないくらいに十分な資産を保有しておいた方が安心です。

 

以前に、VTIやVYMで配当金生活をしようと思うと、投資元本がどのくらい必要になるのかについて記事にしています。

関連記事 【VTIやVYM】米国株ETFへの投資で分配金生活するにはいくら必要なのか?

関連記事 HDVとVYMは分配利回りが高くて低コストなETF

 

 

ETFのメリットとは?

ETFのメリットはというと、少額でも幅広い銘柄に分散投資できるということ。

一部の銘柄が倒産して紙屑になったり、株価が大きく下落したとしても、ETFであれば致命的なダメージは受けません。

 

そういう意味では、ETFによる分配金で配当金生活するという選択肢も悪いものではないです。

 

 

配当成長する連続増配企業への投資は配当金生活に向いている

 

米国には連続増配企業が数多くあります。

  1. AWR(65年連続増配)
  2. DOV(64年)
  3. NWN(64年)
  4. EMR(63年)
  5. GPC(63年)
  6. PH(63年)
  7. PG(63年)
  8. MMM(61年)
  9. CINF(59年)
  10. FMCB(57年)
  11. JNJ(57年)
  12. KO(57年)
  13. LANC(57年)
  14. LOW(57年)

 

こういった連続増配企業は、絶対とは言い切れないけれども少しずつでも増配していく可能性が高い。

もちろん、景気後退期であってもです。

 

過去60年ほどの間には、何度も景気後退期はありましたから。

それでも、上記のような企業はわずかながらでも増配を継続してきました。

 

 

連続増配年数が長い企業は増配率が低い企業が多い

連続増配企業とはいっても、長期にわたって増配してきたような企業は事業が成熟しているので、急激な業績の成長は考えにくいです。

 

そうなると、やはり増配率も数%ほどしかなく、配当成長率は低いことが多いですね。

 

連続増配63年のPGや57年のJNJは保有株ですが、最近の増配率はかなり低く、2019年のそれぞれの増配率は4%と5.6%でした。

 

低い増配率だとしても、景気後退期にはありがたい存在であることに変わりはありません。

 

 

配当金生活を目指すなら、配当成長率の高い企業にも投資しよう

 

配当金生活を目指すのであれば、配当成長率が高い企業へ投資するのはおすすめです。

 

配当成長率が高いということは、

以前に保有する米国株の10年平均の増配率を調べて記事にしています。

関連記事 米国株ポートフォリオの過去10年間の配当成長率をチェック

 

10年平均の増配率(配当成長率)を調べた記事によると、MA(マスターカード)の10年平均の配当成長率は驚異的でした。

ライバル企業で比較対象となるV(ビザ)は調べた時点では、上場してからまだ10年経過していませんでしたが、MA同様に配当成長率は高いでしょう。

関連記事 配当成長率の高い銘柄をポートフォリオの柱にする

 

 

まとめ

 

米国の連続増配企業であっても、いつ増配が止まるかはわかりません。

連続増配企業であっても配当金は国債からの収入のように安定して支払われる保証はないですから。

 

たとえば、DIS(ディズニー)のように10年平均の増配率が20%を超えていたような企業であっても、2019年は増配はナシでした。

だから、配当金なんてどうなるかわからないのです。

 

ETFでも同じ。

VYMのように米国の大型で高配当株のETFであっても、景気後退期には減配する企業があるために分配金は減少します。

 

VYMと配当成長する個別株のどちらが配当金生活に向いているかといわれれば、私は連続増配の実績のある配当成長する個別株への投資の方が向いていると考えています。

 

でも、大事なことは景気後退期に倒産してしまうような企業を選ばないことですね。

 

 

[記事公開日]: 2019/12/19
コメント一覧
  1. リタイヤ者 より:

    米株配当でアーリーリタイヤしています(ただいま50歳近いです)。
    あまり ETF は詳しくなく VYM 等は後で知りましたが米株の個別株配当でのリタイヤ後1年経過して不安はあるものの実害がないと感じます。
    しかし、スピンオフ、合併に伴う税金の処理や配当の行方などの方がわからず、1銘柄は売ってしまいました。
    アメリカ株は企業合併や分割が多い傾向があるのでここらは勉強不足で色々勉強しております。
    バラバラでよくわからないというのが今の本音です、、、
    このサイトは纏まっていて大変参考になります。
    ありがとうございます。

    • もも より:

      リタイヤ者さん、コメントありがとうございます。

      40代で米国個別株の配当金で生活されているなんて素晴らしいです!
      米国株のETFは手数料も安く、幅広い銘柄に分散投資もできるので人気がありますよね。
      ただ、個別株投資がやっぱり好きなので、ETFへの投資は躊躇してしまいます。

      米国株はスピンオフや買収などが多いです。
      今までも保有株でスピンオフも買収も経験しました。
      買収のときは、買収が完了する前に利益確定してしまいましたけど。

      スピンオフの時は、特に株主側で何かしなければならないということはありませんでしたよ。
      時期がくれば、勝手に証券口座に銘柄が増えていました。
      今も売却せずに保有しています。

      税金に関しては、投資をする以上はきちんと勉強しておいた方が自身のためですよね。
      私も勉強中です。

      • リタイヤ者 より:

        会社でリストラに合いそれから10年ぐらいは中小で過ごしましたが、精根尽きてリタイヤしたという自慢できない過去で、配当生活も必然という感じでした。

        ETFはやっぱり他人任せなので自分で把握できる企業に投資してしまいます。
        ただ、高齢になるにつれて年金も出ることだし運用も楽になっていくので部分的にはETFもありかなと今は感じて勉強しています。

        スピンオフは某〇ネック〇証券に詳しく問い合わせたんですが、そこでは特別配当扱いとなるようで割り当てられた株の評価額が全て配当という形になるそうです(その他は一般口座扱いとなり自分で確定申告のようですね、、、)。
        なので源泉徴収が20%かかり、大変な税金を納めないといけないという事でした。
        減配は無いと思うのですが税金分現金を用意しないといけなくて許容できなく、譲渡益での損益通算はできるとのことでしたが、相当な損出しをしないといけなくてもしスピンオフがあればどうしようかと思っています。
        切り抜けられたご経験があるのですね。
        合併に関しても取得価格も0円にリセットされるという事も聞いていて確認しようかと思っています。
        また情報ありましたらためになる記事をよろしくお願い致します。

        • もも より:

          リタイヤ者さん、こんばんは。
          コメントありがとうございます。

          お勤めの際はいろいろとあったのですね。
          どんな理由で退職されたとしても、若くしてリタイアできる資産をお持ちだというのは素晴らしいことだと思います。

          証券会社によってスピンオフや合併の取り扱いは異なってくるんですね。
          BHPビリトンからスピンオフされたサウス32という企業を今でも保有しています。
          (BHPビリトンはかなり前に売却済みです)

          米国株投資を開始した当初は一般口座しかなく、楽天証券の一般口座でBHPビリトンを保有していました。
          楽天証券ではスピンオフ企業は配当扱いにはならなかったと記憶しています。
          だいぶ前の話なので、うろ覚えですが・・・。
          スピンオフされたサウス32は一般口座に入庫され、取得価格は0で評価されてます。

          マネックス証券ではスピンオフ企業は入庫された時点で、評価額の20%を税金として納めないといけないのですか?
          その場合、大量に保有していると20%の税金は厳しいものがありますね。

          合併に関しては、レイノルズアメリカンをマネックス証券の特定口座で保有していたときにBTIによる買収の話があり、買収前に売却しました。
          合併後に取得価格0円になると、売却したときの税金の扱いがどうなるんでしょうね?

          そもそも、外国株の税金に関しては税務署の担当者によっても認識が異なるという話を聞いたりもしますし、難しいですよね。
          今後、スピンオフや合併などを経験したら、記事にしておきたいと思います。

  2. リタイヤ者 より:

    情報ありがとうございます。

    月10万ぐらいで生活しているので何とか出来ているだけなんです。

    昔からされてるので一般口座のご経験があるんですね。

    貴重なご体験ありがとうございます。
    やはり取得金額0なんですね。
    スピンオフしたのち株価の調整は予測できないので本当に難しいです。

    取得額の20%が源泉徴収されるという事でした。
    スピンオフした会社の株は他者と違い特定口座に取得されるということでしたので、少ない金額ならはももさんのようなベテランの方のように一般口座での対応は必要ないという事で面倒がない分楽な面もあるようです。

    合併時の対応はまだ調査中なのですが、0円で取得される場合は売れば100%源泉徴収対象になるので確定申告で取り戻せるスキルのある人は取り戻せるんでしょうか。ここらも全然わかってません。合併比率を記録しておいて税務署で取得金額を提示して納得してもらえれば還付されるというのも聞いたことがありますが、とても出来そうにないです。

    そうなんです。
    米株をしてる人は本当に少なくてその中で確定申告までする人なんて税務署も対応する人を置くような人数じゃないので悪い言い方だと適当に処理されてるように思います。人によっては戻ってきたり、戻らなかったりするとすると難しいですね。

    またご経験されたら記事をお待ちしております。

    • もも より:

      リタイヤ者さん、コメントありがとうございます。

      企業合併はまだ経験したことがないのでよくわかりませんが、取得価額が0円での評価なら売却時にかなり不利になりますよね。
      今後も米国株投資は続けるので、いつかはまた合併やスピンオフも経験するかもしれませんから、その辺のことも考えておく必要はありますね。

      米国株投資は日本株と違って複雑です。
      証券会社や税務署に問い合わせしながら、知識を増やしておくのがいいですね。

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