2018年に入ってからたばこ企業の株価は低迷を続けています。
PM、MO、BTI、JTの株主でもあるので、株価の低迷はうれしいものではないです。
下記はフィリップモリス(PM)のチャートですが、2017年には勢いよく騰がっていますが2018年には帳消しになってますね。
結局、2014年から2015年の低迷していた時と同じくらいの株価で落ち着いています。
他の大手たばこ企業のMO(アルトリアグループ)、JT(日本たばこ産業)、BTI(ブリティッシュアメリカンタバコ)も同じような株価推移です。
懸念されているのは、紙巻たばこの総出荷本数が減少しているということ。
紙巻きたばこの代わって加熱式タバコの数量は伸びているのだけど、予想していたほどには伸びていません。
それに、FDAがタバコに含まれるニコチンの量を中毒性がないくらいのレベルにまで下げる計画だと発表したことも低迷している要因のひとつでしょう。
目次
たばこ事業の将来。高収益は保てるのか?
たばこ企業の大手はどこもかなり利益率が高いです。
もちろん、JTも高収益企業。
タバコ企業というのは比較的値上げが受け入れられやすい業種ですし、誰もがたばこ事業ができるわけではないので、守られている企業といってもいいです。
日本国内企業ではJT1社の独占ですし、高収益なのも頷けます。
また、政府はJTの大株主でもあります。
出荷本数が減っても、今のところは値上げで対応できるという強みはあります。
値上げで対応できるというのは、かなりの強みではないでしょうか?
浸食される堀について
千年投資の公理の第8章には浸食される堀の記載があります。
定期的な製品の値上げが受け入れられにくくなり、顧客から苦情がでるようになると、競争上の優位性は弱くなりつつあり、堀は浸食されつつある兆しとみてよいのです。
ただ、たばこ業界というのは競争相手も限られていますし、ハイテク業界のように競争も熾烈だとは思わないのだけれど、政府による規制強化や健康問題に関する懸念はあります。
今のところは、タバコ銘柄の値上げもある程度は受け入れられていると考えるので、どの企業も堀は浸食されていないとみてよいのではないかと思います。
もしかすると、タバコが値上がりするから銘柄を変えるとか、喫煙を止めるという人も大勢いるのでしょうか?周囲に喫煙者がほとんどいないので、よくわかりません。
夫は喫煙者ですが、タバコが値上がりしようが変わらず吸ってますね~。
止めれないとか、ぬるいことを言ってるのですが、単に意志が弱いだけなのかもしれませんが。
夫を見てるとタバコって止めにくいのかなとも思いますが、どうなのでしょう?
ニコチンの中毒性は高いと聞くので、止めにくいのかもしれません。そうなると、少々の値上げでは止める人はそこまでいないとなります。
しかし、健康上の問題からか先進国では喫煙者は減少しています。
一方で新興国では喫煙者は増えているんですよね。だから、JTは海外事業に力をいれているのです。
[記事内広告]
JTは国内事業だけでなく、海外でもかなり稼いでいる
2017年の販売数量でみてみると、
- フィリップモリス(米国外たばこ事業)
- ブリティッシュアメリカンタバコ
- JT
- インペリアルタバコ
- アルトリアグループ(米国内たばこ事業)
となっています。
JTは3位とはいっても販売数量でみると、PMの半分ほどしかありません。
※フィリップモリス(PM)は、MO(アルトリアグループ)からスピンオフされました。
また、世界最大のたばこ消費国である中国は除いています。
JTは頭打ち感のある国内市場だけでなく海外市場で成長することで、持続的な利益成長を達成してきました。
JTのM&Aはなかなか上手なようで、着実に海外たばこ事業を拡大させています。
紙巻きたばこの主要市場でのJTのシェア率
国内の紙巻たばこのシェアは、当然JTが約61%で1位です。
他にも、ロシア、台湾でのJTのシェア率も1位です。
また、イギリスやフランス、イタリアでも健闘していて、シェア率は2位なのです。
まさにJTはグローバル企業ですね。
将来的に加熱式タバコの販売数量の伸びやシェアがどうなるかは、気になります。
加熱式タバコの販売数量の伸びに比べ、電子タバコは販売数量を増やしてきましたが、米国で未成年者の電子タバコ利用者が蔓延していることでFDAによる規制強化の検討に入りました。
対策が講じられない場合は電子タバコは全面禁止となる可能性もあるようです。
このニュースが報じられてからは、通常のタバコ企業の株価が一瞬上がりました(笑)
キャッシュフローが潤沢な間は投資を継続
タバコ業界はさまざまな規制強化や増税などの逆風にさらされていますが、どの企業も高収益でありますし、キャッシュフローも潤沢です。
しかも、株価も低迷しているために配当利回りもかなり高い。
5%越えの配当利回りなんてなかなかないと思うので、投資を継続しています。
関連記事 企業の価値は将来生み出す現金の総額
ただ、今後も劇的に株価が復活するというイメージは描けないのですが、配当株として保有しつつ、受け取った配当金を原資にどこかの企業へ再投資する戦略は続けていきます。
関連記事 インカムゲインを最大化させるには再投資が有効
たばこ企業が不人気である理由はさまざまあるかもしれませんが、タバコ銘柄は私のポートフォリオには欠かせない存在です。
関連記事 配当金再投資するならタバコ銘柄はポートフォリオに欠かせない
[最終更新日]: 2020/02/13