2018年の秋にも太陽光発電の買取価格に関するニュースが流れました。
当時は、買取価格が半減するというもの。
そして今回は太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの固定価格で買い取る制度⁽FIT⁾が廃止されるかもしれないとのこと。
このニュースを受けて、インフラファンドは売られているものが目立ちます。
重要なポイントは既存の設備にも適用されるか?ということ。
目次
太陽光発電などの固定価格買い取り制度(FIT)廃止とは?
経済産業省は、太陽光や風力など再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を廃止する検討を始めたようです。
再生可能エネルギーの買い取り費用が膨らむと国民の負担が増えます。
どういうことかというと、国民は再生可能エネルギーの買取にかかる費用を賦課金として徴収されているのです。
電気の検針票が手元にあるのであれば、確認してみてください。
再エネ発電賦課金として徴収されてます。
しかも、結構な金額ですよ!
経済産業省は太陽光や風力発電の事業者がつくった電気を大手電力があらかじめ決めた価格で買い取る制度を終了する。買い取り費用の増加で消費者の負担が高まっており、新たな競争入札制度を導入してコスト低減を進める。2020年にも関連法を改正する。政府は再生可能エネルギーを今後の主力電源として拡大する方針だが、遅れが目立つ送電網の整備などまだ課題も多い。
引用元:日本経済新聞電子版
固定買い取り制度が廃止されると、中規模、大規模の太陽光などの事業者は自身で販売先を見つけたり、電力卸売り市場で売却する必要があります。
既存の設備に適用されるFIT制度の影響は?
現在すでに契約済みのものに関してはFIT制度(固定価格での買い取り)で20年間の契約価格での買取保証がされています
すでにFIT制度で固定買い取りの契約済みの設備もFIT制度廃止の対象となるのでしょうか?
この点に関しては、何も発表されていません。
- 日本再生可能エネルギーインフラ投資法人
- カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
の2社が今回の報道を受けて、見解を発表しています。
日本再生可能エネルギーインフラ投資法人の見解
日本再生可能エネルギーインフラ投資法人の見解としては、すでに契約している設備に関してまでもが廃止される可能性は低いということ。
当該報道においては、今後有識者会議の案を受け、早ければ2020年の通常国会に関連法の改正案を提出する旨が示されているにすぎず、本制度の廃止が本日時点で決定したものではありません。かつ、既に運転を開始している太陽光発電設備等が、本制度の廃止の対象に含まれるとは示されておりません。
また、仮に当該報道どおりに本制度が廃止されるとしても、関連法の改正案の国会への提出が2020年の通常国会以降とされているため、本投資法人の2020年1月期(第6期)末までに本制度が廃止される可能性は低いと考えております。
引用元:日本再生可能エネルギーインフラ投資法人
なお、仮に本制度が廃止となる場合であっても、適切な経過措置が設けられることが予想されるところ、本投資法人が本書の日付現在保有する全35か所の太陽光発電設備は、既に本制度に基づき認定を受け、運転を開始していることから、これらの太陽光発電設備がかかる廃止の対象になる可能性は極めて低いと考えております。
引用元:日本再生可能エネルギーインフラ投資法人
カナディアン・ソーラー・インフラファンド投資法人の見解
本制度が今般報道された主旨で関連法案の改正等が進んでも、本投資法人が保有する太陽光発電所に適用される固定買取価格は各発電所毎に確定しており、影響はないと見ております。また、本投資法人のスポンサーが開発中のパイプライン案件において、同様にその固定買取価格には影響ないと見ております。なお、本制度の下での固定買取価格は本制度導入以降、年々低下してまいりましたが、本投資法人の太陽光発電所の取得においては、本投資法人の配当利回りを十分考慮して行っております。入札制度を通じて売電価格が決定される場合においても、その方針に変わりはありません。
引用元:カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の見解としても、既に契約済みの設備に関してはFIT制度の対象であり、影響はないと見ています。
既にFIT制度の契約済み設備は対象外になるのか?
重要なポイントは既に契約済みの設備が廃止の対象になるのか?ですが、政府は何も発表していません。
もしも、既存の設備にまで適用されるとなると、さすがにダメージはありますね。
でも、そんな手のひら返しみたいなことをするのでしょうか?
FIT制度導入時よりも予想以上に太陽光発電の導入が進んだということなのでしょう。
それに伴い国民負担が増えた結果、国民から不満の声があがっているということかな。
平均的な一般家庭の1か月の賦課金は800円ほど。
確かに高いですよね(笑)
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーが広まり、発電コストも下がっているにもかかわらず、電気料金を負担する国民には金銭的な恩恵はありません。
インフラファンドへの投資を通じて賦課金を負担する側から脱出
再生可能エネルギー買取にかかる費用を国民は賦課金として徴収されています。
一方で、太陽光を取り入れている企業や個人は固定価格での買取の恩恵を受けているわけです。
そこでできることはといえば、一方的に負担させられるのではなく、インフラファンドへ投資することで分配金を得てFIT制度の恩恵を受けること。
自身で太陽光を導入(屋根の上に乗せて発電)したり、事業者になることも可能だけど初期コストもかかるし、なにより面倒。
パネルの廃棄処分にも費用はかかりそうだし、そんな面倒なことはしたくない。
それならば、利回りは落ちたとしてもインフラファンドへ投資するのが一番低コストです。
価格を度外視すれば、売りたいときにはいつでも売れるのが一番のメリット。
まとめ
今回のFIT制度廃止の報道を受けて、インフラファンドの株価も急落しているものが目につきます。
ただ、まだ何も決まったわけでもないし、インフラファンドへ投資する価値が薄れたとも考えていないので保有は継続します。
関連記事 太陽光発電の買取価格半減でインフラファンドの危機?