敗者のゲームは投資家に絶対読んでほしい名著です。

 

とても有名な投資本である敗者のゲームを久しぶりに読みました。

 

私は気に入っている本は何度でも読むのですが、敗者のゲームもその一つです。名著といわれるものは、何度読んでも気づきがあるものですね。

 

私は運用資産のほとんどを国内の個別株に投資しています。

 

株式市場の急落はたいてい年に数回はある(2015年だったら8月のチャイナショック)のだけど、そういう時に動揺してしまって利益があるうちに売ってしまおうとか思うことが今でもあります。

 

そして結局、自分が売ったところが底だったということを今までに何度か経験しました。単なる需給で急落するときは、基本は売ってはいけいのだけど、どうしても売りたいという気持ちがむくむくと顔をだしてきます。

 

こういう時にもゆったりとした心構えとじたばたしない精神力があれば下手な売買をせずに済むのです。

 

老後のための資産運用は長期間をかけて準備していこうと思っているのだけど、投資方針は十分に考えて決めたのならば、その投資方針を尊重して守っていくべきで、じたばたしないことが大切なのだとチャールズ・エリスの敗者のゲームを再読して改めて思いました。

 

 

資産運用は敗者のゲーム

 

敗者のゲームの著者チャールズ・エリスは、資産運用は勝者のゲームから敗者のゲームへと変化してしまったと書いてあります。

 

では、敗者のゲームとは何なのか?

テニスを例に出してわかりやすく説明してありました。

  • 敗者のゲームとは敗者のミスによって勝負が決まる
  • 勝者のゲームとは勝者のウィニングショットにより勝負が決まる

つまり、プロは得点を勝ち取るが、アマチュアはミスによって得点を失うということ。

 

テニスの例と同じように、投資の世界も敗者のゲームなのでミスをしないことが重要。

そのためにはどうすればよいかというと、手数料も安く、運用コストも安いインデックスファンドを利用しましょうということなのです。

 

 

超長期的にみた場合の重要な意思決定

 

老後を迎えたら、株式100%での投資は危険だから債券の割合を増やしましょう的なことを見聞きしたことがあると思います。

 

しかし、チャールズ・エリス(敗者のゲームの著者)は債券への投資はすすめていません。なぜなら債券はインフレに弱いから。

 

詳しくは敗者のゲームを読んでくださいね。詳しく書いてありますよ。

関連記事 インフレのリスクから資産を守る方法とは

 

長期投資の最大の敵

長期投資の最大の敵はインフレなのです。あとは税金もですけどね。

1964年から2000年までの35年間に100万ドルを投資したと仮定します。

35年後には

  • 株式に投資した100万ドルは5500万ドル
  • 債券に投資した100万ドルは1550万ドル
  • 財務省証券に投資した100万ドルは1070万ドル

になっています。但し、ここから税金とインフレの影響を考えると恐ろしいことになっているのですよ。

  • 株式に投資した100万ドルは540万ドル
  • 債券に投資した100万ドルは120万ドル
  • 財務省証券に投資した100万ドルは80万ドル

財務省証券に投資したものに至ってはインフレの影響で目減りしています。

 

長期投資するなら株式

10年以上の投資期間があるのならば株式100%にするべきだと書かれています。

私も老後資金の運用は100%株式にすると決めています。

関連記事 老後資金をどうやって貯めようか

 

2,3年以内に必要になるお金は現金もしくはMMFなどに投資する。

あとは生活防衛資金がある程度あると安心ですよね。

関連記事 投資するなら生活防衛資金は絶対に必要です

 

まとめ

 

敗者のゲームにはインデックス投資家さんの間ではお馴染みの効率的ポートフォリオについても書かれていますし、長期投資をする上で大切なこととして運用方針を立てることの重要性についても触れられています。

 

ただし、投資の神様といわれるウォーレン・バフェットはバフェットからの手紙 第4版 (ウィザードブックシリーズ)の中で効率的ポートフォリオを否定しています。

でも、何も知らない無知な投資家には定期的なインデックスファンド(S&P500)への投資を推奨していて、プロの投資家以上の利益をあげることが実際に可能だと発言しています。

関連記事 分散投資vs集中投資、株式投資の投資法に正解はない。

 

 

敗者のゲームの中でも、特にインフレがいかにして資産価値を破壊させていくかについて書かれているところは秀逸です。

投資に関する基本的なことが書かれてあるので、投資初心者であってもすんなりと理解できると思うので、一読されることをおススメします。

 

 

 

[記事公開日]: 2015/12/22
[最終更新日]: 2021/01/07
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