株式投資は優良企業への長期投資が基本。銘柄選びのポイントはエコノミックモート

 

株式投資で利益をあげる方法はひとつではありません。

 

デイトレやオプション取引、スイング投資など本当にさまざまで、どの投資法が正しくてどの投資法が間違っているなんていうものはないと思うし。

 

正直なところ、利益をあげることができるのであればどんな投資法でも正しいと思ってます。

大切なのは自分に合った投資法を見つけて実践すること。

 

株式投資で最高なのは、買い付けた直後からどんどん株価が騰がり、短期間で目標とする株価にまで到達することでしょうか。

だけど、そんな幸運なことは長くは続かない。

 

投資は忍耐力が必要なほど、苦しい(大袈裟かな?)期間の方が多いものだという認識があるのだけど、どうだろう??

 

リーマンショック以降の景気拡大のおかげで、比較的簡単に利益をあげることができる状態が長く続きました。

でも、本格的な下げ相場に突入すると何年もの間、株価は低迷するでしょうね。

 

株式市場全体が低迷しているときの銘柄選びのポイントはエコノミックモートだと考えています。

 

銘柄選びのポイントも含め、どうやって投資していけばいいのかについて自分の考えをまとめました。

 

 

長期投資は株式投資で大きな利益をあげる基本

 

2005年からの投資歴において、自分にとって比較的大きな利益をあげることができた投資について振り返ってみると、投資期間はやはり長いものが多いです。

 

テンバガー(10倍株)になったものは、最長で12年ほどかかっていますし。

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テンバガー(10倍株)達成の経験は自信になる

 

テンバガーについては、リーマンショック後の株価が低迷している時に買い付けて長期間保有していたら、気づけば10倍になっていたというだけのことです。単なる幸運。

 

あの頃は不当に低い株価が付けられていたので、長期間保有していれば10倍になった銘柄は数多くあるでしょう。

 

別に10倍にならなくても、2~3倍になる株を何回転かさせれば同じような利益が得られます。

2倍くらいなら数か月で達成することも多くありますし。

 

株式投資で大きな利益を得るポイントは株式市場が低迷したり、需給の関係で暴落した際に低すぎる株価がついてしまっている企業に投資して長期間保有する事ではないでしょうか。

 

 

長期投資でも報われないこともある

 

大きな利益を得るための秘訣が長期投資だとしても、選ぶ銘柄を間違えると報われないこともあります。

 

2006年頃に投資を開始した、とある日本企業があります。

この企業はいわゆるストック型のビジネスを展開しており、業績は非常に安定しています。

 

だから、リーマンショックが発生した年も赤字を垂れ流すといったことは皆無。

毎年、堅実に利益を重ねていく企業なので良くも悪くも株価は安定している。

だけど利益成長はほとんどしない企業。

 

さすがにリーマンショック時は投資開始した後に、一時的には半値近くまで下落したこともあったけれども、すぐさま回復していきましたし、不況期であっても事業は安定しているので保有していることに不安は全くありませんでした。

 

それなのに、リターンはショボイ(^^;)

 

もも
10年間保有して配当込みで年率7.2%の投資でした

 

 

この安定した企業への投資は利益は出ているけれども、私的にはどちらかというと失敗の部類に入ります。

だって10年もの間、保有しているにも関わらず株価は約2倍にもなっていませんから。

 

その間に受け取った配当金を合わせると2倍くらいになりますけどね。

配当込みで考えると、年率7.2%ほどでしょうか。

 

年率7.2%だと十分じゃないかと思う人もいるかもしれないけれど、せっかくキャピタルゲイン狙いで個別株投資しているのに、これくらいの利回りしか得られないのは不満に思います。

しかもリーマンショックを挟んでいるので、もっとリターンが出ても良いはずです。

 

 

長期投資で失敗した原因について考える

 

投資で失敗するのは悪いことではありません。

その敗因を突き止め、次の投資に活かすことができればよいのですから!何事も前向きに考えないとやってられません。

 

どうして10年間も保有しているのに株価が2倍にもならないのか?について考えてみると、ほとんど成長しない企業だからだというのが私の出した答え。

 

株式投資の基本はやはり、成長していく企業に投資して時間とともに株価も少しずつ騰がっていくことにより利益が膨らんでいくということ。

 

この少しずつでも成長するという点が、この企業には欠けていたのです。

 

 

エコノミックモート(経済的な堀)を有する企業への投資が成功の鍵

 

バフェットやチャーリー・マンガーなどの成功している投資家の投資法を見てみると、エコノミック・モート、ワイド・モートなど言い方は違うけれども、競争優位性のある優良企業への長期投資を実践していることがわかります。

 

やはり投資の王道は、経済的な堀を有する成長し続ける優良企業への長期投資なのです。

経済的な堀のある企業については、過去に記事にしてありますので読んでみてください。

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長期保有するにふさわしい企業の4つの基準

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また、どうせなら複数のエコノミック・モートを有する企業へ投資したいという方にはETFがおすすめです。

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wide moat(経済的な優位性)を持つ企業のETF

 

エコノミックモート(経済的な堀)の特性

 

バフェットは株主への手紙の中で投資先の基準について4つのこと挙げています。

  • 自分が理解できる企業
  • 有能で株主を大切にする信頼できる経営者によって運営されている企業
  • 長期的に好業績が見込めるビジネス
  • 妥当な価格で購入する(素晴らしい企業を相応の価格で買う事)

上記の4つは投資をする上で大切だということはわかります。

 

では、長期的に好業績が見込めるビジネスってどんなビジネスでしょうか。

 

モーニングスターはエコノミックモートについて4つの特性を挙げています。

  • 無形資産(ブランド力)があること
  • 規模の優位性(コストの優位性)があること
  • スイッチングコストがかかるため、乗り換えにくい
  • ネットワーク効果があること

 

そして、この4つの特性それぞれにおいてwide moat(幅広い堀)、narrow moat(狭い堀)、no moat(堀はない)に分類してあります。

無形資産 コストの優位性 スイッチングコスト ネットワーク効果
wide moat Coca-Cola UPS Oracle
Chicago Mercantile
Exchange
narrow moat Dr Pepper Snapple FedEx Salesforce.com NYSE Euronext
no moat Cott Corporation Con-way TIBCO
Knight Capital
Group

 

オラクルのデータベースのスイッチングコスト(乗り換えコスト)の高さは有名ですよね。

 

データベースを他社のものに移行するには、単に価格が安いというだけでは乗り換える気がしない。

うまく移行できなければ業務遂行に差し障りますから。

 

この4つの特性に関しては、千年投資の公理に詳しく書かれてありますので、興味のある人は読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

一時的にエコノミックモート(経済的な堀)に見えるが、そうではないものもある

 

ある新商品が開発され、一時的に大流行することってありますよね?

 

どこへ行っても売り切れて手に入らない、プレミアがついてオークションなどで高値で取引されているなどという商品が今までにも幾度となくありました。

 

たとえば古いけど、『たまごっち』とか。

若い人は知らないかな(^^;)

 

そういった商品を開発した企業は一時的には爆発的な利益を得ますが、その商品に永続性はありません。飽きられたら終わり。

 

もしくは永続性のあるような素晴らしい製品だった場合は、ボロ儲けしているのを知った同業他社が参入してきますから、競争は激しくなります。

 

そうなると継続した利益を上げることができなくなる。

だから、こういった企業は経済的な堀は持ってないんですよね。

 

エコノミック・モートやワイド・モート(経済的な堀)といえるものは、競合他社を寄せ付けない圧倒的な何かが必要なのです。

 

例えば、ブランド力や特許などの無形資産があれば他社は真似したくても真似できません。

 

 

エコノミックモートの耐久性に注意する

 

エコノミックモート、いわゆる堀を持つ企業を見つけて”投資したらそこでおしまい”ではありません。

 

投資した後も継続的なチェックは必要。

たとえば特許はいつまでも有効ではなく、期限はありますし、ブランド力も衰えてくることもありますから永遠に安泰というわけではないですからね。

 

千年投資の公理にも、このように書かれています。

ブランドに基づく経済的な堀は、ブランドがそれまでの輝きを失ったとき、価格にプレミアムを上乗せできなくなるという大きな危険をはらんでいる。

出典元:千年投資の公理

 

価格決定力があり、消費者独占企業といわれているような企業はほんの一握りしかありません。

 

でも、今持っている堀が時間をかけて少しずつ退化していくこともあります。

技術の発展などによってコダックやワシントンポストなどは堀がなくなってしまいましたから。

 

 

堀がいつまで続くのかを探す方法

 

エコノミックモート(経済的な堀)がいつまで続くのかを探す方法について、チャーリー・マンガーはこう答えています。

 

素晴らしい業績を上げている会社をよく見かけます。

そこで知りたいのは、「それがいつまで続くのか」ということです。私は、その答えを探す方法をひとつだけ知っています。

なぜ、今そのような結果が出ているのか、そして何が起こればその結果が出なくなるか、を考えるのです。

 

 

たとえば、決済関連で圧倒的な強さを見せるV(ビザ)やMA(マスターカード)ですが、より安全で安価な決済方法が生まれてくれば、競争にさらされることが考えられ、堀が破壊される可能性もあります。

 

他にも地元の商店街が郊外の大型ショッピングセンターができたことで淘汰されたりだとか、今ではアマゾンなどのネットショッピングが登場したことであらゆるタイプの小売り店の堀が破壊されていますよね?

 

エコノミックモートはいつまでも続くわけではない点には注意が必要です。

 

 

エコノミックモート(経済的な堀)を有する企業のリストを作ろう

 

株式市場が低迷して、株価が企業価値に対して割安に放置されている時にすぐさま買い付けられるように日頃から準備しておくのがおすすめです。

 

バフェットの2016年の株主への手紙の中でも、『10年ごとに経済を暗い雲が覆う時があり、そんな時は簡単にお金を吹き飛ばしてしまいますけど、そういうときにバフェットやチャーリーは精神的にも財政的にも迅速に動けるように準備している』と書かれてありました。

 

エコノミックモートを有するかどうかはわからないけれども、いずれは投資したいとウォッチしているのは、

  • ロウズ
  • スターバックス
  • ホーメルフーズ(取得済み)

など。

 

他にも保有株でも買い増ししたいけれども、株価が騰がってしまったけれども下がれば買い増ししたい企業(MAなど)もあります。

 

 

まとめ

 

経済的な堀をもった優良企業をみつけることができ、かつ適正価格で投資する事ができれば、企業の成長とともに自分の資産も成長していくことが期待できます。

 

長期間保有していられる人にとっては、優良企業への長期投資が最適な投資法になるのではないでしょうか。

 

優良企業への長期投資でゆっくりとでもいいから、お金持ちになりたいですね。

 

[記事公開日]: 2017/03/30
[最終更新日]: 2020/06/10
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