米国株の配当利回りやPERから割高かどうかを見てみる

米国株に投資するにあたって、重要視していることはいくつかあります。

  • 競争優位性のある企業であるか?
  • 倒産することはないか?
  • 割高すぎないか?
  • 配当はきちんと支払われているか?

この辺のことを気にかけながら、米国株投資をするようには心掛けています。

このような条件の中でも、特に配当金に関しては譲れません。

無配の企業へ投資することは、今後もおそらくないです。

 

老後の配当金生活を目指しているので、企業から配当金が支払われなければ意味がないと思っていますから、配当金の継続性に関しては厳しくチェックする必要があります。

できれば配当利回りが高いときに投資したいですが、高配当だからといった理由だけで投資すると痛い目をみるので注意が必要。

業績の悪化や不祥事などの理由で株価が急落して、配当利回りが高くなっているだけかもしれません。そういう場合は減配のリスクがあります。

関連記事 高い配当利回りの落とし穴

 

現在の米国の株式市場は非常に堅調で、なかなか新規投資しにくい状況です。

20年~30年以上の長期的な視点からみると、しっかりとした企業(競争優位性のある企業)であればタイミングなど考えずに投資するのが正解なのかもしれないけれど、なるべくなら高値掴みしたくないという思いも強いです。

だけど、将来の株価がどう動くのかというのは誰にもわかりませんから難しいところです。

 

少しでも投資する際の参考になるかと思い、現在の米国株式市場(S&P500)の配当利回りは過去と比べてどれくらいの水準であるのかを調べてみました。

 

米国株の配当利回りの推移

 

米国株の配当利回りはどれくらいだと思いますか?

現在の配当利回りはだいたい2%ほどです。

これだけだと、今の利回りが高いのか、低いのかわかりませんよね。

 

では、1871年からの配当利回りをグラフにして見てみたいと思います。

 

過去には配当利回りが10%を超える時もありました。

世界恐慌のあった1929年から少し経過した1931年あたりでは配当利回りも10%ほどあることがわかります。株価が下落したために配当利回りが高くなった企業が多かったのでしょう。

 

その後の推移を見てみると、1970年代中頃に配当利回りが高くなっています。

1970年代の始めは、ニフティ・フィフティ(素晴らしい50銘柄)といわれたマクドナルドやコダック、コカ・コーラ、ウォルト・ディズニーなど大型の優良株の株価は非常に高く、バブル状態でした。

 

その後、これらの企業の株価バブルが弾けて米国株式市場は下落を続けます。

当時の米国は株式の死といわれていた時で株式の不人気さが伝わってきます。

その頃の株式市場の様子についてはピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜けに詳しく書かれていますよ。

 

 

そして1980年代に株価が回復してからは徐々に配当利回りが低くなってきました。

配当利回りが最も低下したのは、ITバブルのピーク時で当時の配当利回りは1.1%ほどしかありませんでした。

2008年に配当利回りが高くなっているのが、リーマンショックが発生した年です。

その後は株式市場は堅調なので、配当利回りは2%ほどしかありません。

 

1871年から現在までの配当利回り平均は4.4%です。

平均と比べると、現在の配当利回りはかなり低いことがわかります。

過去の平均と比べると配当利回りが低下しているというだけのことであって、株価が将来的にはどうなるのかは想像もつきませんが。

そんなことは関係なしに投資するのもありだと思うし、控えめに投資するという選択もできる。または一旦売却して利益確定するという選択もできます。

この辺は投資家自身の考えによって対処法が違ってくるのでしょう。

私は売却することはないけれど、今のところは例年に比べれば控え目に新規投資しようかと考えています。

 

米国株の株価収益率(PER)

 

米国株の株価収益率(PER)の推移を見ておきます。

1871年から2016年までのPERの平均は、15.59でした。

そして現在は、PER22くらいです。

ITバブルのあった頃や、リーマンショック後の2009年のPERは突出していますね。

 

優良企業の株価はいつも投資家から高く評価されているので、PERが15付近まで落ちてきたら、絶対に買います!!

そこまで下げることは、ほとんどないとは思いますが。

 

まとめ

 

米国株の配当利回りやPERを見てみると、過去の平均と比べてみても現在は割安な水準ではないといえます。

だけど、高すぎるとも思いません。

バフェットは2015年の株主総会で、低金利が株高を支えていて高値は許容できるが、金利が通常の水準に戻るのであれば、米国の株価は割高であると発言しています。

 

 

こちらはS&P500指数の推移

バフェットが当時の金利水準から高値は許容できると発言した時のS&P500指数は、2110程度。

2017年3月現在は2360くらいと2年前よりも10%ほど高くなっています。

 

そして2016年の12月には0.25%の利上げもありましたし、今後も数回の利上げが見込まれています。

出典元:大和投資信託

バフェットの発言から、このまま利上げが続けば現在の米国株は割高ということになりそうですね。

通常の金利水準というのが、どのレベルを指しているのかはわからないですが…。

 

受取配当金は増やしたいけれども、積極的には買いに行けない状況が続きそうです。

 

 

[記事公開日]: 2017/03/15
[最終更新日]: 2020/02/07
コメント一覧
  1. 五郎 より:

    初めまして。ももさんのブログをいつも楽しみに読ませて頂いております。

    ところで一点気になったことがありますので、ご教示頂けますでしょうか?

    S&P500のPERについて1871年から記載されていますが、S&P500が設立されたのって、今から60年前ですよね?1871年からというのはどのようなデータになるのでしょうか?

    • もも より:

      五郎さん、コメントありがとうございます。

      指摘されたようにS&P500の算出開始が1957年です。
      グラフの数値はロバート・シラー教授のHPで掲載されているデータを元にしています。
      S&P500ではなく、米国株という記載がありました。

      誤ったことを掲載してしまい、申し訳ありませんでした。
      また、ご指摘ありがとうございました。

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