
バフェットは若い頃は師であるグレアムの会社で共に働いていましたが、グレアムが引退すると25歳でオマハに戻り、パートナーシップを立ち上げました。
当初は家族4人と友人3人の資金でバフェット・パートナーシップはスタートしたのです。
バフェットのパートナーシップ時代のまだ運用資金が少ない頃からの運用実績について言及している書籍はあまりないと思いますが、バフェット 伝説の投資教室 パートナーへの手紙が教える賢者の哲学に書かれてありました。
目次
運用資金規模と運用実績
パートナーシップ時代(1957年~1969年)からバフェットの運用実績は素晴らしいです。
この間にダウ平均は5回のマイナスリターンがありましたが、パートナーシップではマイナスの年がありません。
バフェット・パートナーシップの運用実績
1957年から1969年で解散するまでの、バフェット・パートナーシップの運用実績です。
年 | ダウ平均(配当込) | パートナーシップ | 有限責任パートナー |
---|---|---|---|
1957 | -8.4 | 10.4 | 9.3 |
1958 | 38.5 | 40.9 | 32.2 |
1959 | 20 | 25.9 | 20.9 |
1960 | -6.2 | 22.8 | 18.6 |
1961 | 22.4 | 45.9 | 35.9 |
1962 | -7.6 | 13.9 | 11.9 |
1963 | 20.6 | 38.7 | 30.5 |
1964 | 18.7 | 27.8 | 22.3 |
1965 | 14.2 | 47.2 | 36.9 |
1966 | -15.6 | 20.4 | 16.8 |
1967 | 19 | 35.9 | 28.4 |
1968 | 7.7 | 58.8 | 45.6 |
1969 | -11.6 | 6.8 | 6.6 |
年間複利率 | 7.4 | 29.5 | 23.8 |
1950年代~1960年代のNYダウ平均
当時のNYダウのチャートです。
パートナーシップを開始した当初のダウ平均は不況で落ち込んでいた3年前の2倍近くになっていて、明らかに魅力的ではなかったそうです。
実際にグレアムも1955年にアメリカ上院の委員会で「相場は高騰し過ぎている」と証言したほどでありました。
しかし、その後も多少の上下はあるものの、10年間はほぼ右肩あがりでした。
バフェット・パートナーシップの解散
1966年にはバフェットパートナーシップも1億ドルと規模が大きくなって、新規パートナーの受け入れを中止します。
1968年には過去最高の運用成績を収め、1969年には魅力的な投資対象が枯渇したことを理由にパートナーシップを解散しました。
下記は1969年5月のパートナーシップへの手紙の抜粋です。
本当に第一級の投資対象が見つけられる状況ならば、1970年もさらには71年も、パートナーシップで運用を続けるでしょう。個人的にそうしたいからではなく、単純に、成績の悪い年よりもよい年で終わらせた方がいいに決まっているからです。
しかし、良い年が来るという確かな希望につながる材料はひとつも見当たりませんし、人様のお金で「幸運」を願いながら手探りしたいとは思いません。英雄として終えるためだけに、自分では理解していないゲームに挑戦して、まずまずの出来だった成績に傷をつけたくはないのです。
株式市場の熱狂
60年代後半には、いわゆるグロース株ファンドが大活躍していてゴーゴーファンドと言われるほど株式市場は過熱しており、その後には上昇が下降に変わりました。
長期的な利益を最大化させることを優先する
バフェットは1968年の手紙でこのように記しています。
いわゆる「ゴーゴー」ファンドは最近、「ノーゴー」ファンドに改名されました。例えば、ジェラルド・ツァイのマンハッタン・ファンドはおそらく世界で最も有名なアグレッシブ運用のファンドですが、1968年はマイナス6.9%という成績でした。多くの小規模な投資顧問会社は68年にも一般市場で卓越した運用実績を出し続けましたが、66年と67年には量的におよびませんでした。…投資顧問ビジネスについて、私は以前あまりにも無気力だと手厳しく非難してきましたが、いまや幾四半期も急性高血圧症に見舞われているようです。…高い意欲をもった大勢の人たちが続々と、限られた数の証券に膨大な資金を投じれば、結果は予測不能になります。ある意味、観察するのは興味をそそりますが、別の意味ではぞっとします。
強気相場が成熟するにつれて、株価はどこまでも騰がると錯覚しがちになります。
こういう時こそ、熱狂の渦に巻き込まれないように1歩も2歩も下がって冷静にならなければならないのです。
卓越した投資能力があるかどうかは、下げ相場でわかる
上昇相場の時は誰でも楽に利益を得ることはできますし、運よく圧倒的なリターンを叩き出す人もいますが、本物でないと下落相場では稼ぎを一気に吐き出してしまいます。
バフェットは安全志向かどうかは下落相場でわかると発言していますし、高値掴みして安売りするようなことだけは避けなければいけません。
目先の利益ではなく、長期的な利益を最大化するように行動することが大事です。
実際には、行動に移すのはかなり難しいのですが…。
下げ相場で大負けしないということは、非常に難しいです。リーマンショック時には市場平均ほどにはマイナスにはならなかったけれども、かなりのマイナスリターンでしたから…。
あの壮絶な株式市場でプラスのリターンで終えられた人がいるのであれば、それは素晴らしいです!
ひふみ投資は下落相場ではどうなるのか、興味がある
比較的低コストで個人投資家に人気のアクティブファンドのひふみ投信は、2008年10月の設定以来、素晴らしい運用成績を収めています。
リーマンショック発生直後の設定ですから、設定時期も良かったのかもしれませんが、それにしても素晴らしい運用実績です。
2017年6月からは米国株のマイクロソフトやアマゾンにも投資を開始していますが、今後も保有銘柄数を増やす可能性があることを示唆しています。
レポートを読むと、米国株が調整局面で下落するタイミングを狙っているようです。
2008年以来、日本市場はほぼ右肩上がりでしたが、今後下落相場が到来したときにひふみ投信はどのような成績を残せるのか?に非常に興味があります。
積立投資するなら、まずは証券会社の資料請求から。
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[最終更新日]: 2019/07/05