奨学金問題と親(家庭)の経済力と子供の学力の関係

 

最近は奨学金を借りているのに、返済できずに滞納する人が多いと問題になっています。

NHKのクローズアップ現代でもこの問題が取り上げられるほどです。

大学生の2人に1人が奨学金を借りているのだそう。想像以上に奨学金を借りているんですね。

自己破産をしなければならない状況にまで陥っている人も少なからずいるみたいで、累計1万人が奨学金が返済できずに自己破産しているそうです。

 

大学を卒業した後に正規社員として就職してそれなりに収入があれば、こういった問題も起こらないのでしょうが、皆がそういう職に就けるとも限らないのが現在の社会です。

だけど、借りたものは絶対に返さなければいけません。難しい問題ですよね。

 

しかも、親の収入と子供の学力はとても関係があるという調査結果まであります。

教育費を豊富に使える裕福な家庭の子供は学力が高い傾向にあります。その逆として教育費にお金をかけられない家庭の子供の学力は低い傾向にあるそうなのです。

裕福な家庭の子供は奨学金は借りないでしょうし…。

こういったニュースを見聞きするたびに、子供の教育費はしっかりと準備しようという気になります。

 

親の収入と子供の学力の関係

 

我が家には子供が奨学金を借りるという選択肢はありません。全て私達が教育費は支払います。そのために子供が小さい時から教育費を準備していますから。

社会人になって、これからという時にすでに借金を背負っているというのは子供にとってはとても負担です。そういう負担は子供にはかけたくありません。

その分、しっかりと勉強してもらわなくては困りますけどね。

 

親の収入と子供の学力についての関係についての調査結果が興味深いものだったので記事にしておきます。

 

家庭環境と子供の学力

お茶の水女子大学がH25年度の学力検査の結果と保護者のアンケートから学力と家庭環境について研究結果を発表しています。

 

本や新聞を読むことは学力と相関がある

書籍類を読むことと学力には非常に強い関係があるということは昔から言われています。

  • 読んだ後に感想を話し合う
  • 小さい頃の絵本の読み聞かせ
  • 本を読むように働きかける

といった事を行っている家庭の子供ほど学力は高い傾向にあるようです。

 

文化や芸術体験は大切

美術館や劇場や博物館、科学館、図書館に子供を連れて行く家庭ほど、子供は高い学力があるそうです。

色々な体験をさせた方がいいということですね。

 

自然と自分から勉強するような子になるように育てることが大事です。

小さい時から本は身近に置いてあげてるとか、図書館に一緒に行くとか、そういった小さな積み重ねが影響してくるような気がします。

 

世帯収入と子供の学力の関係

H25 Academic ability survey - household income

 

学歴が高いほど収入も多い

年収が高い家庭ほど金銭的な余裕があるので、子供の教育にもお金をかけることができます。

H25 academic ability survey - SES

H25 academic ability survey - SES & academic achievement

収入が多い家庭の子供ほど、学力が高い傾向にあります。

 

子供の学力はどれだけ子供の教育に投資できたかによって変わってくるので、教育にお金をかけることを惜しまない家庭もたくさんあります。

下記の図を見てみると収入の多い世帯ほど学校外教育支出が多いです。

 

H25 Academic ability survey - household income and Investment in education

中には塾に通わなくても高い学力を身に付けている人もいますけど、稀な存在なのかもしれません。この辺は本人のヤル気次第だと思います。

 

親の学力と子供の学力の関係

両親の最終学歴が高いほど、子供の学力が高い傾向にあります。

これは高学歴ほど収入も多い事がほとんどなので、子供の教育にお金をかけれるので納得のいく結果ですね。

H25 academic ability survey - father Final Education

H25 academic ability survey - mother final education

 

不利な家庭環境でも高い学力をもつ人もいる

教育費に湯水のごとくお金をかける余裕はなかったとしても、子供が自ら勉強するようになる環境を小さい頃から与えていれば、それなりの学力はつくような気もしますから、親の子供に対する働きかけも重要なのだと思いました。

 

不利な家庭環境にあるにもかかわらず、努力(=学習時間)によってそれを克服して高い学力を獲得することが可能かどうかを分析してきた。その意味において、強調しておくべき知見は次の2点である。

  1. 努力の成果は、限界があるものの、努力が社会経済的背景から受ける制約を補償することができる。
  2. 一方で、学力の社会経済的格差は、児童生徒個人の学習時間だけで縮小させることには限界がある。

不利な家庭環境に置かれた児童生徒のリジリエンスが発揮されるためには、彼ら・彼女ら自身の努力(学習)に加え、本章や他の章でも指摘しているように、家庭学習など学校教育によるサポートが必要となるのかもしれない。
出典元:お茶の水女子大学委託研究

橘玲さんの著書である言ってはいけない 残酷すぎる真実には才能と遺伝、努力の関係などについて興味深いことが書かれています。

社会的な成功や経済的な成功はIQ(一般知能)と強く相関するというデータがあるらしいですが、地頭の良さなんていうのは遺伝なんでしょうかね?

IQも大事ですけど、今はコミュ力(コミュニケーション能力)も非常に重要だと思います。

東大生の親の平均年収1000万円以上

 

東大生の親(家計支持者)の年収の平均は1000万円以上だそうです。そして5割以上が年収950万円以上という凄さ。

しかも家計支持者の年収ということなので、世帯年収ではありません。両親どちらかの年収ということ。世帯年収でいえば、さらに増えるでしょう。

 

国税庁が発表している日本人の平均年収は415万円(正規も非正規も含めて)だそうですから、比べると全く違いますね。

 

2014年東大家計支持者の年収

 

やはり親の年収と子供の学力は相関があるのです。

東大生の出身校を見ても、私立の中高一貫校が多いです。

 

私立の中高一貫校へ通う子供は小学生の時から塾へ通わなければいけませんから、教育費も半端なくかかります。

小学生時代の塾代と中高の6年間で合計1000万円程度はかかるでしょうし、高校などでも塾に行くとすればさらにお金はかかります。

 

東大へ進学できるくらいの学力があれば特待生制度を取り入れている大手予備校を利用するという手もありますけどね。

 

やはりある程度、裕福な家庭の子供でなければ私立の中高一貫校は通えません。

中学生のころから合宿があったり、何かとお金がかかります。

関連記事 子供の教育費に必要な金額の目安

優秀な学生には給付型の奨学金を!!

 

不利な家庭環境にも関わらず、努力して高い学力を得ているような優秀な学生には諸外国が行っているような給付型の奨学金制度(返済不要)が普及すればいいのになと思います。

 

お金がないことで勉強に打ち込めないとか、進学をあきらめるのは悲劇ですから。

 

 

[記事公開日]: 2016/06/26
[最終更新日]: 2021/03/20
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