JTの株価はなぜ下がり続けるのか?考えられる5つの理由

 

JTの株価が下がり続けています。どこまで下がるのでしょう。

コロナショックで一旦は底をついた感じがしますが、他の株に比べて戻りは鈍いです。

 

2016年以降にJTへ投資してずっと保有している人はほとんど含み損なのではないでしょうか?

 

JT stock chart 10年20200603

5年チャートを見てみると、キレイな右肩下がり!

全然うれしくないけど…。

JT stock chart 5年20200603

 

株価が下落し続けた結果、現在のJTの配当利回りは7.16%もあります。(2020/6/3終値)

コロナショックの劇下げ時は何と8%を超えていましたよ。

 

JTはどうしてこんなに売られるのでしょうか?

 

なぜ、JTの株は配当利回りが7%を超えるほどに下落するのか、考えられる5つのことを書いてみます。

 

 

【JT】不人気で株価も下落を続ける理由は?

 

JTだけでなく、アルトリアグループ(MO)、フィリップモリス(PM)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)も株価は軟調です。

 

なぜ、JTは人気がないのか?

JTの株価が下落を続ける理由は?
考えられる理由を5つ挙げてみます。
  1. タバコ市場の縮小
  2. ESG投資の広がり
  3. JTが想定しているより円高傾向
  4. 需給の問題
  5. 巨額の「のれん」

 

 

【タバコ企業が不人気な理由その1】タバコ市場の縮小

 

JTに限らずタバコ企業が不人気な原因の最大の理由は、やはりタバコ市場の縮小だと考えています。

市場が縮小していくのにも関わらず、売上、利益の成長をしようとするならば、値上げしか考えられません。

 

値上げが酷過ぎれば、さらに喫煙率も少なくなるでしょうし、舵取りの難しいところです。

 

タバコに代わる嗜好品事業など、他の分野の成長の種まきも必要となってくるでしょう。

 

JTによると2019年1Qにおいて、世界的なタバコ総需要は前年比5%減です。(出荷量ベース)

 

日本もそうですが、先進国では喫煙者はかなり減少。

JT調査の喫煙率

出所:厚生労働省の最新たばこ情報

 

JTの調査によると、2018年の日本の喫煙者率は17.9%となっています。

昭和40年頃なんて、男性の喫煙率の高さに驚きますね!

 

国内の販売数量減の割合に比べれば、海外事業での販売数量の減少はまだマシです。

 

【タバコ企業が不人気な理由その2】ESG投資の広がり

 

ESG投資は機関投資家を中心に広がっています。

反社会的事業とされるのは、

  • タバコ
  • アルコール
  • ギャンブル
  • 戦争

    などですから、何もタバコ企業だけがESG投資により逆風を受けているわけではありません。

     

    ただ、タバコ事業のような反社会的な事業を営む企業は、ESGを重視する投資家からは敬遠されることになります。

    このことも、タバコ企業が不人気な理由のひとつと考えています。

     

    関連記事

    ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮している企業への投資について

     

    【タバコ企業が不人気な理由その3】JTが想定しているより円高傾向

     

    タバコ市場の縮小ほど懸念事項ではないけれども、円高傾向にあることは業績にも影響してきます。

     

    ちなみに、JTの場合は円がドルに対して1円変動するとなると、円ベース調整後営業利益で33.5億円の変動になります。

     

    2020年にJTが想定している為替レートです。

     

    まだ第1四半期が終わったところなので、まだまだどうなるかはわかりませんが、今のところは想定レートよりも円高傾向にあります。

     

    JT2020前提為替レート

     

    【タバコ企業が不人気な理由その4】需給の問題

     

    株価が下落するから、損切りするという人もいるでしょう。

     

    売りが売りを呼ぶとまではいかないかもしれないけど、需給の問題も考えられます。

    信用買いは半年前やコロナショック時に比べると、だいぶ減少してきました。

     

     

    【タバコ企業(JT)が不人気な理由その5】JTの巨額の「のれん」

     

    JTはいろんなタバコ企業を買収しています。

    その買収に伴って、巨額なのれんを計上しています。

     

    買収金額が買収先企業の純資産以上だった場合に、「のれん」が発生します。

    逆の場合は「負ののれん」になりますが、JTは無形固定資産のひとつである「のれん」が約2兆円あるんですよね。

     

    まぁ、JT以外にもソフトバンクGや武田薬品なんかも巨額の「のれん」が計上されてますけどね。

     

     

     

    JTの株はどこまで下がる?

     

    JTの株価はどこまで下がるのでしょう?

    そんなことがわかれば、底値で全財産ぶちこみますけど、わかるはずはありません。

     

    当面の底はコロナショックの際に下がった配当利回り8%ラインである1800円台を見ておけば大丈夫なんじゃないでしょうか?

    あくまでも素人の予想ですが。

     

    さすがにJTほどの優良企業が配当利回り8%まで売り込まれるのは普通ではないです。

    赤字でもないし、キャッシュを稼ぐ力も強いですし。

     

     

    JTの株主還元

    2020年JT配当

     

    残念ながら2020年度は連続増配は停止になったけれども、配当は維持されてます。

    しかし、配当性向は驚異の90%。

     

    配当性向が高すぎるのはちょっと危険な香りがします…。

     

    ただ、年1回の株主優待と高配当を享受しながら長期保有していく予定。

    5月下旬に我が家にも大量のカップ麺と冷凍うどんやレトルトカレーが届きました(笑)

     

    未成年口座でも投資していますし、夫にも頼んでJTに投資してもらってるので大量に優待が届きました。

    そして、家族全員仲良く含み損です(泣)

     

     

    まとめ

     

    JTの株価は下落し続けていますし、まだまだ下がる可能性もなきにしもあらず。

    次に売り込まれるのは、減配になったときでしょうか?

     

    リーマンショックのときは株価は3000円を超える株価だったのが、1000円くらいまで売り込まれましたし。

     

    JTも昔と違って配当性向も高くなりましたし、以前ほど配当は成長しないでしょう。

    そして、一番の懸念はタバコ市場の縮小です。

     

    でも、フリーキャッシュフローは潤沢ですし、倒産する心配もほぼない。

    配当をもらいながら株価は気にせずに気長に保有してくのも悪くはないです。

    関連記事

    【JT】リーマンショックをはさんだ長期の業績と配当利回り

     

     

     

    [記事公開日]: 2019/06/30
    [最終更新日]: 2020/06/03
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