経済的な堀(競争における優位性)を持つ企業への投資で利益をあげる

 

多くの企業を見ていると、不思議なほど利益率の高いビジネスがある一方で、利益率の低いビジネスもあります。

どうせ投資するならば儲かっている企業に投資したい。

 

だから、投資する前には同業種内で比較するようにしています。

 

同業種内で比較する意味についてですが、例えば利益率の高い医薬品メーカーと薄利多売である小売業を比較しても意味がないから。

 

同業なのに利益率の高い企業もあれば、低い企業もある。

両社の違いは何か?

同業他社と比較する時は、この点を考えるようにしています。

 

利益率の高い企業であれば、もしかすると経済的な堀(エコノミック・モート)をもっているかもしれません。

 

経済的な堀をもつ企業へ投資することで、企業が経済的な堀のおかげで持続的に利益を得るのと同じように、投資家も利益を得ることができる可能性が高いです。

 

注意したいのは、その企業の持つ堀がどこまで維持できるかですね。

 

 

経済的な堀(エコノミック・モート)とは何か?

 

バフェット関連の本にもよく書かれていますけど、堀を持つ(競争において優位性を持っている)企業は高い利益率を誇っていることが多いです。

 

経済的な堀とは?

日本のお城にある堀が外部からの攻撃から内部を守るためにあるように、他社よりも長期的に利益や市場シェアなどにおいての優位性を維持することができるビジネス力のことです。

 

こういった他社にはマネできない経済的な堀(エコノミック・モート)を持つ企業に適正株価、できれば割安な株価の時に投資することができれば、この投資は成功する確率が高い。

 

でも、難しいのは適正価格を求めることなんですよね。

定量分析はできても、定性分析はかなり難しい。

 

だから、自分なりに色々と調べた上で納得する株価で投資することくらいしかできません。

 

バフェットみたいな達人になると、財務諸表を読めば5分ほどでその企業の価値がみえてくるというから驚きです!

 

経済的な堀について話を戻すと、経済的な堀(モート)が未来永劫続くということはほとんど不可能。

 

だから、競争上の優位性がまだまだ続くのか、またはそろそろ優位性を失いそうなのかということはチェックしていく必要があります。

 

経済的な堀を持つ企業

 

他社にはない強みを持ち、繁栄し続けている企業とはどんな企業でしょうか。

パッと思いつく所では、

  • ブランド力があるために価格決定力がある
  • 特許を持っている
  • 規模が大きく固定費を抑えられるので安い価格で提供できる
  • 乗り換えコストが大きい

考えれば、他にも色々とあると思います。

 

千年投資の公理では、構造的な優位性について4つ挙げています。

構造的な優位性
  1. 無形資産
  2. 顧客の乗り換えコスト
  3. ネットワーク効果
  4. コストの優位性

もし堅実なROCを上げていて、これらの特性のひとつを持った企業を見つけることができれば、堀のある企業を探し当てた可能性が高いと書かれてあります。

 

こういった特徴を持った企業で構成されるETFがありますから、実際にどんな企業が堀(wide moat)があるのかを知ることができますよ。

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wide moat(経済的な優位性)を持つ企業のETF

 

こういった競争力があって強みを持つ企業は儲かっていることが多いけれど、いつまでも続くわけではありません。

 

かつては高い利益率を誇っていた新聞ですが、インターネットが発達している今では昔のような深い堀(競争上の優位性)はありません。

 

 

経済的な堀を持たない企業

 

堀を持たない事業の特徴としては、差別化できない商品を扱っていることでしょうか。

 

こういった堀のない事業では他社との差別化がしにくいために、価格競争に巻き込まれる可能性が非常に高いので利益率も低いです。

ここで儲かる企業になるためには、規模が大きくコストを下げることができる(固定費の削減)事が必要になります。

 

 

経済的な堀がなくならないように構造転換できる企業に投資する

 

一時的には経済的な堀を持っていて繁栄していたとしても、技術革新などで事業の優位性が失われてきた企業もいくつもあります。

だから、常に投資先の企業の堀は健在であるかどうかをチェックしなければいけません。

 

経済的な堀がなくなるとき

 

経済的な堀がなくなってしまったことで有名なのはコダックです。

ピーター・リンチの株で勝つでも出てきますよ。

 

コダックはデジカメが誕生するまでは、フィルム写真で莫大な利益をあげていました。

しかし、今では技術革新により経済的な堀は全くなくなってしまっています。

 

 

時代に沿った事業転換は大切

 

富士フイルムは、収益の柱をフィルム事業から化粧品や医薬品事業にうまく構造転換した良い例です。

 

儲かっている間に次の飯のタネ(新規事業)を育てることができる企業は強いです。

マイクロソフトでも同じことが言えますよね。

 

その時代にあった事業構造へと転換させていくことで、経済的な堀を失わずに長期間繁栄することが可能になるのです。

 

また、私の投資先であるクレジットカード業界のVISAやMaster Cardは現時点では高い利益率を誇っています。

これは経済的な堀がある証拠ですね。

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VISAの企業分析

 

現在は敵なしというような状況ですが、これが未来永劫続くかと言えば、ノーかもしれない。

ビットコインなどはVISAなどの決済関連企業の脅威になるというニュースを見ますからね。

 

今後もビザやマスターカードなどのクレジットカードに代わる決済手段がいろいろと出てくる可能性も大いにあります。

 

経済的な堀を失わないためには、現在のクレジットカード事業以外の新規事業も育てていかないといけないわけです。

 

経済的な堀をもつ企業への投資についてのまとめ

 

いずれにしても大事なのは、経済的な堀のある企業へ投資すること。

 

そして、投資したあとも継続的に状況を監視し続けるということ。

  • 堀を持つ企業に投資する
  • 堀を持つ企業の優位性が失われていないかを定期的にチェックする

     

     

    [記事公開日]: 2016/07/11
    [最終更新日]: 2020/05/30
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