長期投資は確実に儲かるというのは幻想

 

長期投資をすれば必ず儲かると信じている人はいるかもしれませんが、私は長期投資で確実に儲かるとは決して思わないです。

 

長期で見れば株式市場は右肩上がりなので、市場全体に投資するインデックスファンド(ETFや投信)に投資しておけば、将来的には利益が得られると勘違いしている人もいるかと思います。

だけど、現実はそんなに甘くはないと思うのです。

 

以前にも長期投資でも確実に利益がでるわけではないという記事を書きました。

 

そこでも書いてあるのですが、日本市場でいえば20年以上の長期投資においてはインデックスに投資していても利益は得られていない可能性があるのです。

ドルコスト平均法で毎月定額を投資していたとしてもですよ!!

 

ましてや、バブルのピークに投資して保有したまま買い増しもせずに放置しておくと、銘柄によっては株価はバブルの最高値には全く及びません。

 

だから、長期投資であれば必ず儲かるなどというのは幻想なのです。

 

では、どうすれば資産運用で儲ける(利益を得られる)のでしょうか。

 

 

長期投資であっても投資対象は選ばなければならない

 

日本の株式市場にバブルのピークで投資を開始した投資家は、コツコツとインデックス投信の積立を実施していたとしても、2013年にやっと投資元本を上回るくらいですから、長期間投資し続けたわりには、たいして儲かってはいないと思います。

N225 40年チャート

 

25年以上も投資を継続しているのに、報われてないなんて悲劇です。

 

大卒で社会人になって定年退職するまでには40年もありません。それなのに25年投資してほぼトントンの投資成績とか、もしかしたらマイナスというのは資産運用としては失敗ですよね。

 

そうならないために気を付けなければいけないことを考えてみました。

 

アセットクラスの分散投資する

バブルのピークで日経平均に投資するインデックスに投資を開始した投資家は残念なことになっています。

一方で、米国のS&P500インデックスの投信にでも積立投資していれば、大成功です。

S&P500と日経平均40年チャート

こんなことになるなら、素直に米国株に投資していたらよかったと思うかもしれません。

たまたまこの期間だけに限定してチャートを眺めてみると、圧倒的な差があるけれど米国株のインデックスに投資していたとしても30年ほど株式市場が低迷していた時期もあります

 

不運にもそういう時期に遭遇してしまったら、米国よりも日本に投資していた方が良かったとなるのです。

1929年の株価のピークで投資を開始すると、その後の世界恐慌で30年近く前回の高値を上回ることができていません。

 

だから米国株のインデックスの投信に長期で投資していれば必ず儲かると考えるのは間違いです。

 

儲かる確率を上げるために必要なのは、アセットクラスを分散させることです。

ただ、今は世界同時株安がおこるので株式投資で日本市場と海外市場で分散させていても昔ほど効果はないのかもしれません。

 

実際にリーマンショック時は株式市場はどこも壊滅的でした。

 

 

 

投資した後も必ず割高ではないかの確認をする

投資を開始するときとその後も、常に”割高ではないか”の確認をしましょう。

何をもって割高であるかは、投資家によって異なるとは思いますけど。

 

明らかにバブルだなと思うならば、一旦は税金や手数料を支払うのはもったいないけれど利益確定しておいた方がよいです。

割高になれば、きちんと利益確定することを心掛けなければなりません。

 

以前にも記事にしましたが、インデックスファンドの売り時は難しいです。

関連記事 インデックスファンドの売り時っていつ?

 

インデックスへの投信積立をしている人の売る基準ってどんなものなのか興味があります。

私にはETFであれ投信であれ、インデックスファンドの売り時はよくわかりません。

積立を継続して利益の出せたセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、積立開始時に決めた売りの基準を満たした時に段階的に売却して利益確定しました。

 

 

超長期での株式のリターン

 

20年や30年での株式投資では運が悪ければ失敗に終わることもありますが、さらに期間を延ばして100年くらいの超長期でみるとおそらく報われるでしょう。

関連記事 長期間にわたる資産運用でのパフォーマンス

 

 

投資に確実なことなんて何もない

 

長期で投資していたら必ず儲かるということではないですが、そうはいっても儲かる確率はかなり高いと考えています。

だからこそ、長期投資を実践しているのです。

 

私の場合は老後資金のための資産運用では米国の個別株を中心とした配当金再投資をしています。

儲かる確率は高いと思っているから実行しているけれども、実際はS&P500にアンダーパフォームしています。

 

インデックスへの投資というのは、バフェットも推奨しているように、手間もかからずそこそこよいリターンが得られる可能性が高いです。

※バフェットはS&P500への投資を推奨している

 

今のところは、米国株への投資は日本株投資と比べるとうまくいっていないけれども、後悔はありませんし、失敗に終わればそれはそれで受け入れることができます。

自分で納得した投資だから、失敗しても受け入れられるのですよね。

 

注意したいのは思考停止した状態で、長期投資だからといった理由だけでホールドし続けるような投資をしないことです。

 

常に自分の頭で考えて投資を実践していく必要があると思うのです。皆が買ったから自分も買おうとか、皆が売ったから自分も損切りしておこうとかではなく、ちゃんと自分で考えて実行に移すことが必要。

 

自分で考えて投資したのならば、失敗したとしても次の投資にその失敗を活かすことができますから。

 

Market Hackで有名な広瀬さんの書籍ですが、米国株投資だけでなく、どの国の投資にでも応用できる投資法について書かれています。

 

やはり、長期投資とはいっても健全な投資対象を選べるスキルを身につけておく必要があるとおっしゃってます。

 

投資を始めたばかりの初心者でもわかるような内容なので、おすすめです。

関連記事 MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法を読みました

[記事公開日]: 2016/08/16
[最終更新日]: 2020/02/10
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