ここ数年はFDAによる規制やESG投資の広まりでタバコ企業には逆風が吹きまくり、株価も下落続きで、2017年からのリターンはかなり酷い。
さすがに下落しすぎて配当利回りが凄いことになっていたからなのか、最近はちょっと株価も持ち直してきた感じもします。
タバコ株は時代遅れというような意見も数多く目にしましたけど、私自身はタバコ株への投資はやめてないし、継続的に買い増しもしています。
過去100年ほどを振り返れば、中毒性のある製品を取り扱っている企業への投資は株主を大いに豊かにしてくれました。
しかし、最近はESG投資というものが意識されるようになり、タバコ株は健康に害を及ぼすものなので、当然ESG投資の対象外です。
タバコは健康にも悪いし、喫煙者数も減少し続けているし、たばこ企業の将来は明るくはないかもしれない。
でも、たいした設備投資も必要とせず、毎年豊富なキャッシュが入ってくるというのは非常に魅力的なのでたばこ企業への投資はやめられません。
最近のリターンは冴えないけれども、過去20年の株価推移を見てみると、MO(アルトリアグループ)のリターンはS&P500を大きく上回っています。
目次
MO(アルトリア)のリターンは過去20年で年率18%だった(配当金込)
MOの株価はITバブル(インターネットバブル、ドットコムバブルとも呼ばれる)が崩壊したときも、さほど影響は受けませんでした。
さすがにリーマンショックのあった2008年は下がってますけど、これはPMを分社化したため。
配当金再投資なしでの20年間のリターンは年率4%
さきほどのグラフは配当金再投資込のリターンですが、配当金再投資なしの場合は下記のグラフになります。
2008年に大きく株価が下落しているけれども、これは米国外のタバコ事業をPM(フィリップモリス)として分社化したからです。
実際にはMOの株主にはPMの株式が割り当てられていますから、MOの株価とS&P500と比較するのは圧倒的にMOに不利なんですけどね。
そんな圧倒的に不利な条件でも、配当金再投資なしでもS&P500と同等レベルのリターンを叩き出しています。
あくまでも過去のことなので、今後もMOのリターンがS&P500を上回るとは限りません。
過去115年でのセクター別リターンはタバコ株が圧倒的だったが今後はわからない
クレディスイスの長期投資についての調査した資料には、過去115年間のセクター別リターンが掲載されていました。
出所:クレディスイス
詳細は下記の記事に書いていますので、興味がある方はぜひ読んでみて下さい。
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今ではタバコのイメージは悪い
昔は成人男性の大半が喫煙者だったようなイメージがあります。
タバコを吸うのがカッコいいみたいなイメージ戦略を取っていたのでしょうか?
でも、時代が変わり、今では海外のタバコのパッケージにはおぞましい写真が印刷されていたりします。
それに、私が小さい頃には電車にも灰皿が付いていたんですよ!
今では信じられませんよね。
日本でも喫煙率は年々減少していますし、先進国ではどこでも同じでしょう。
タバコの出荷本数も減少していますし、たばこ企業の未来に明るいイメージは抱けません。
でも、現在も生き残っているタバコメーカーがなくなるとは思えないので、定期的に配当金を受け取りながら投資し続けるつもりです。
まとめ
タバコ企業への投資が正解だったか、失敗だったのかがわかるのは数十年後でしょうか。
その頃にはタバコ企業から受け取った配当金だけで投資元本も回収できてそうですよね。
ちなみに2019年にはMO(アルトリア)は連続増配年数が50年になり、配当王となりました!
ただ、タバコ事業は今のままでは高い成長は見込めないので、配当が成長してくれるかどうかはわからない。
配当成長の源泉はやはり企業の成長ですからね…。