
株価の下落によって高配当株になるものが出てきました。
高配当株は魅力的です。配当金を再投資するなら、配当利回りが低いよりも高い方がいいに決まってます。受け取り配当金が多いほど、再投資にまわせる金額が多くなるのだから。
再投資する金額が多ければ多いほど、加速度的に資産は増加します。
だけど単純に高配当だからといった理由で投資はしません。高配当ならどんな企業でも投資する価値があるとは思っていないのです。
株価が下落したことによって配当利回りが高くなった場合、配当金が株価の下落を和らげるクッションになるとよく言われます。
それが当てはまる企業も確かにありますが、そうではない企業もあるのです。
配当金は下落相場の安全装置なのか?
ジェレミー・シーゲルの株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらすには下落相場で配当金が安全装置(プロテクター)になると書いています。
確かに配当金を支払い続ける能力のある企業はこれにあてはまります。
毎年安定したCFのある企業、例えばフィリップモリスやアルトリアグループなどのタバコ銘柄、P&Gを代表とする生活必需品メーカーなどです。
だけどCFが非常に不安定な企業もありますよね。そういった企業は株価の下落によって高配当株になったからという理由だけで投資すると痛い目にあいます。
高配当という観点からのみで投資するとダメなのかの理由は企業業績の落ち込みによる減配のリスクがあるからです。
例えば私の保有株での失敗といえばKMIは75%も配当金をカットしました。少し前には2016年も配当金を最大10%増やすと表明していたにも関わらずです。
だけど減配したことで企業には手元資金が十分に確保できているので、これでよかったのかもしれません。
含み損ですが今でも保有しています。
また、他にも今年に入ってからだとBHPビリトンも75%配当金が減配されました。
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それとバフェット率いるバークシャーは去年の9月~12月の間にKMIに投資していたようです。ちょっとうれしいですね。
この高配当株の罠に引っ掛からないために、ジム・クレイマーはジム・クレイマーのローリスク株式必勝講座の中でこのように書いています。
- その会社が現行配当を続けていけるかどうかを確認する
- 同業他社の配当利回りと比べてみる。他社と比べてみて突出して高い場合は手を出さない
KMIはジム・クレイマーの書籍の中で有望なMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)であると書かれていたので、パイプライン会社を少しは持っておくかという安易な考えで投資してしまいました。
失敗点としては、石油や天然ガスを探索や開発をする企業に比べると、市況変動のリスクを負いにくく安定的に大きな利益をもたらしてくれると勘違いしてしまったこと。
有名な投資家の著書においても、書いてあることを鵜呑みにしてはいけないということが痛いほどわかりました。
自分で調べて、納得してから投資するという基本を忘れてはいけません。
安定した配当を支払い続ける事が可能な企業に投資する
配当金再投資をする上で大事なことは、安定した配当金の支払い能力がある企業に投資することです。
この手の企業を見つけるためには、不況期を含んだ過去数年間の財務諸表をチェックすることが欠かせません。
過去の財務諸表をチェックするのが面倒ならば日本株であれば過去の会社四季報でも不況期の配当支払い状況がわかりますよ。ただし、過去の会社四季報を持っていればの話だけど。
配当貴族指数に採用されるような企業は25年以上もの長期間、増配し続けているので安定した配当金の支払い能力がある企業だとは思います。
ただ、リーマンショックでファイザーは41年連続増配という記録がストップしてしまったように、配当貴族指数に採用されているからといって絶対安心というわけではありませんのでご注意を。
こういった不測の事態に備えるために必要なことは、適度に分散投資しておくことです。
新賢明なる投資家の著者のグレアムは安全域を十分に確保した20社ほどに分散投資しておくのが良いと言っていましたし。
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個別株に投資するには、ある程度は投資しようとする企業のことを調べる労力が必要です。それが面倒だと思うのならばインデックスファンドに投資するのが一番賢明だと思います。
[最終更新日]: 2020/02/07