連続増配株への投資、配当金のみで何年で元本確保できるのか調べてみた

連続増配株は毎年のように増配してくれるので、長期的な資産形成には有効であると考えています。

 

連続増配株というと、米国株が有名。

なんといっても60年以上も連続増配し続けている企業がたくさんあるので、自分の好みの企業へ投資することができます。

 

日本でのトップは2017年12月で28年連続増配の花王。

実際にはまだ配当金は支払われていませんが、予想配当が2016年よりも8円増配になっています。これが実行されれば28年連続増配ということになります。

 

連続増配株に投資した場合に株価の値上がり益を除き、配当金再投資もしない場合に、配当金だけで何年で元本を回収できるのか気になりませんか?

少し気になったので、調べてみました。

 

連続増配株へ投資した場合、何年で元本回収できるか?

 

連続増配株に投資した場合は、配当金は再投資していくことが基本だと思うのですが、再投資しなかった場合に元本を回収するまでにどれくらいの期間が必要なのでしょうか。

 

PGは元本回収に何年かかった?

まずは、保有株であるP&Gから。

P&Gは60年連続増配の記録をもつ優良企業です。

 

2007年1月に投資した場合

2007年1月に1株$65で投資したとしましょう。

2017年8月までに受け取った配当金の合計金額は、$23.034なので回収率は約35%でした。

 

ITバブル崩壊後の2000年3月に投資した場合

ITバブル後の株価がかなり下落した2000年3月に1株$28で投資したとしましょう。

2017年8月までに受け取った配当金の合計金額は、$29.5519なので回収率は100%となりました。

この時の保有期間は17年です。

 

ITバブル崩壊前の2000年1月に投資した場合

一方で、ITバブルのはじける前の2000年1月に1株$58で投資したとしましょう。

2017年8月までに受け取った配当金の合計金額は、$29.7119なので回収率は約51.2%となりました。

 

買うタイミングが2か月ずれただけで、こんなにも差が出ています。

いかに安く買うかということの大切さがわかる事例ですね。

 

1990年1月に投資した場合

参考までに、1990年1月に1株$8.5で投資した場合はどうなったでしょうか。

2017年8月までに受け取った配当金の合計金額は、$33.5なので回収率は394%となるので、十分に元本は回収できています。

 

ちなみに1990年1月に投資した場合に、元本がちょうど回収できたのは2005年5月になります。

保有期間は15年で、元本回収済みとなりました。

 

JNJは元本回収に何年かかった?

優良企業の見本のような企業であるJNJを調べてみました。

連続増配株への配当金再投資戦略を実施されている投資家さんは、かなりの確率でJNJ(ジョンソン&ジョンソン)を保有しているので、投資家には人気の企業なんですよね。

 

私の場合も、JNJに投資していても不安になることが全くなく、とても安心感がある企業なのです。

 

2007年1月に投資した場合

2007年1月に1株$66.5で投資したとしましょう。

2017年8月までに受け取った配当金の合計金額は、$26.035なので回収率は約39%でした。

 

ITバブル崩壊後の2000年3月に投資した場合

ITバブル後の株価がかなり下落した2000年3月に1株$44で投資したとしましょう。

2017年8月までに受け取った配当金の合計金額は、$32.9なので回収率は75%となりました。

この時の保有期間は17年です。

 

ITバブル崩壊前の2000年1月に投資した場合

一方で、ITバブルのはじける前の2000年1月に1株$52で投資したとしましょう。

2017年8月までに受け取った配当金の合計金額は、$32.76なので回収率は約63%となりました。

 

JNJは、ITバブル崩壊後の2000年3月でもP&Gに比べて、そんなにも下がっていません。

だから株価下落後の3月に投資したとしても17年間での回収率は75%にとどまりました。

 

1990年1月に投資した場合

参考までに、1990年1月に1株$7で投資した場合はどうなったでしょうか。

2017年8月までに受け取った配当金の合計金額は、$36.15なので回収率は516%となるので、十分に元本は回収できています。

 

ちなみに1990年1月に投資した場合に、元本がちょうど回収できたのは2004年8月になります。

保有期間は14年で、元本回収済みとなりました。

 

1990年代の米国株

 

1990年代の米国は、長期景気拡大期だったので株価の上昇もすごかったのです。

 

NYダウは1990年1月には2773ドルだったものが、2000年1月には11281ドルにまで約4倍にまで値上がりしています。

 

そのような背景もあり、P&Gにしても、JNJにしても1990年初めに投資していれば、14年や15年で配当金だけで元本が回収できたというのもあるのかと思います。

関連記事 米国株への長期投資で10000ドル投資していたら、どれだけ儲かったか?

 

今の株価でこれら2銘柄に投資したとしても、14年や15年で配当金だけで元本が回収できるとは到底思えません。

P&Gは特に最近の増配率はかなり低いし、配当性向も高いですから。

 

できるだけ早期に配当金だけで投資元本を回収しようと思うのであれば、長期的に高い増配率が見込める企業へ投資するのが一番ですね。

 

でも、未来の優良企業を探すのも簡単ではないし、そういった企業は評価も高いので、株価はすでに高い水準にまで騰がっていることが多いと思いますが。

 

 

[記事公開日]: 2017/09/24
[最終更新日]: 2017/10/27
コメントを残す

CAPTCHA


おすすめの記事