バフェットが言うところの幅広い堀(wide moat)を持つ企業というのは、他社との競争において優位性を持つ企業のことです。
投資する際に必要なのは一時的な競争力ではなく、長期間継続可能な競争上の優位性を持っている(利益をあげ続ける)企業を見つけること。
こういったワイド・モートを持った企業に適切な株価で投資することは、株式投資の成功につながるのだと思います。
ワイド・モートを持っていると思っても一時的なものかもしれない。儲かるビジネスがあるとわかれば、他社は儲かる分野に参入してきます。
競争が激しくなると本当の意味でモート(堀)を持っていないと、あっという間に業績は悪化してきます。
ドル箱になっている製品やサービスにモートがあるのかどうかをよく見極める必要があるのです。本当の意味でのワイド・モート(幅広い堀)を持つ企業を見つけるのは簡単ではありません。
だけど諦める必要はなくて、競争力、優位性を持った企業とはどういうものなのかを知るために、参考になる指数やETFがあるのです。
目次
Morningstar Wide Moat Focus Index
モーニングスターのワイド・モート・フォーカス・インデックス(Morningstar Wide Moat Focus Index)という指数があって、40社で構成される指数のようです。(2016年9月現在)
この指数を構成している企業は投資のプロが選んでいるので、おそらく経済的な堀(wide moat)を持つ企業なのでしょう。
Morningstar Wide Moat Focus Indexの構成銘柄
ティッカー | 企業名 |
GILD | Gilead Sciences Inc |
AGN | Allergan plc |
FOXA | Twenty-First Century Fox Inc A |
DIS | Walt Disney Co |
SRCL | Stericycle Inc |
ESRX | Express Scripts Holding Co. |
CBG | CBRE Group Inc. |
PII | Polaris Inds Inc |
V | Visa Inc A |
CRM | Salesforce.com |
BMY | Bristol-Myers Squibb |
VFC | VF Corp |
LLY | Lilly Eli & Co |
TIF |
Tiffany & Co
|
WFC |
Wells Fargo & Co
|
MA |
Mastercard Inc A
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JLL |
Jones Lang Lasalle Inc
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MCK |
McKesson Corp
|
BK |
The Bank of New York Mellon Corp
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EMR |
Emerson Electric Co
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CMP |
Compass Minerals Intl
|
CSX |
CSX Corporation
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AXP |
American Express Co
|
ABC |
AmerisourceBergen Corp
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UTX |
United Technologies Corp
|
DE |
Deere & Co
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BIIB |
Biogen Inc
|
AMZN |
Amazon.com Inc
|
AMGN |
Amgen Inc
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MON |
Monsanto Co.
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BRK.B |
Berkshire Hathaway B
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SBUX |
Starbucks Corp
|
LOW |
Lowe's Cos Inc
|
TWX |
Time Warner Inc
|
STT |
State Street Corp
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MSFT |
Microsoft Corp
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VAR |
Varian Medical Systems Inc
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HOG |
Harley-Davidson Inc
|
USB |
US Bancorp
|
NSC |
Norfolk Southern Corp
|
日本でも有名な企業がたくさん組み入れられていますし、保有株もいくつかありました。
ただ、割安ではない(どちらかというと割高な)成長企業も組み入れられている。
アマゾンなんてすごく割高だと思うので、どんなに素晴らしい堀を持っていたとしても私は買うことはできない…。
投資で上手くいくのは、素晴らしい企業をそこそこ適正な株価で買うことであるとバフェットは言っているので、割高な成長株には手を出せません。
成長株は投資家の期待が高くて評価されているので、株価も高いです。
そして割高すぎるがゆえにリターンが悪いことも多いですから注意が必要。
Morningstar Wide Moat Focus Indexに連動することを目指したETF
モーニングスター・ワイド・モート・フォーカス・インデックス(Morningstar Wide Moat Focus Index)に連動した成果を目指したETFもありますから、ETFを通して投資することも可能です。
VanEck Vectors Morningstar Wide Moat ETF(MOAT)はどんなETF?
MOATというETFはブルームバーグによると下記のようなETFです。
構成銘柄は20銘柄となります。
ヴァンエック・ベクトル・モーニングスター・ワイド・モートETF(VanEck Vectors Morningstar Wide Moat ETF)は米国籍のETF(上場投資信託)。モーニングスター・ワイド・モート・フォーカス・インデックスの運用成績に連動する投資成果を目指す。モーニングスターのエクイティ・リサーチ・チームによると、ルール・ベースの均等加重指数で、持続的競争力のある割安銘柄上位20社へのエクスポージャーを提供する。
出典元:Bloomberg
堀のある優良企業と連続増配企業の今年のリターンを比較
私は老後資金用のポートフォリオを試行錯誤しながら少しずつ作っているところ。
基本的には連続増配企業に配当金再投資して、雪だるま式に受取配当金を増やしていこうとしています。
老後は受け取った配当金で生活できることを目標としているわけです。
どちらかというと外国株ポートフォリオは、キャピタルゲインよりもインカムゲインに比重を置いてます。
Wide Moatな企業というのは経済的な競争力のある企業で、成長し続ける可能性が高い企業。
ということは、配当金支払いで株主還元するよりも会社を成長させることに比重をおいているだろうからインカムゲインよりはキャピタルゲインを期待しますよね。
気になるので2016年の年初から現在までのリターンを調べてみました。
NOBL(黄色):S&P 500 Dividend Aristocrats ETF
MOAT(赤):VanEck Vectors Morningstar Wide Moat ETF
S&P500(青)
今年に限定して現時点までのリターンを見てみると、MOATは驚きの14.08%です。
NOBLはS&P500よりは少し良いくらい。
ただし、3年のトータルリターンはNOBLの方が少し良くて8.57%で、MOATは7.34%です。
まとめ
米国には優良企業が多いので、どの企業をポートフォリオに組み入れるのかは悩ましいところ。
欲しい企業を手当たり次第にポートフォリオにいれてしまうと、管理が杜撰になってしまうので10~20くらいには抑えたい。
連続増配の常連のタバコ銘柄はポートフォリオからは外せないし、長期投資を前提としてポートフォリオを組んでいるので、できれば堀のある優良企業を選びたいです。
関連記事:長期保有するにふさわしい企業の4つの基準
関連記事:経済的な堀(競争における優位性)を持つ企業
一番理想的なのは、経済的な堀(ワイド・モート)を持っていて、且つ増配に意欲的な企業をポートフォリオに組み入れること。
老後までにはまだまだ時間があるので、試行錯誤しながら将来の受取配当金が最大化するように投資を続けていきたいと思います。
[最終更新日]: 2017/04/25