投資は一般的に買いよりも売りの方が難しいといわれていますが、本当にその通り。
私も10年以上、個別株投資をしていますけど、確かに売りはかなり難しい。
天井で売り切ることなんてほとんど無理です。
個別株はその企業の業績を四半期ごとにウォッチして、事業は順調にいっているのかの確認をすればよいですし、割高なのか、割安なのかの判断もできます。
でも、投資信託って数多くの銘柄に投資されているので、割高なのか、割安なのかの判断ができませんよね。
インデックスファンドやアクティブファンドなどの投資信託の売り時っていつなんだろうと、ふと思いました。
どのタイミングで売却して利益確定するのが良いのでしょうか…。
インデックスファンドなどの投資信託の利益確定のタイミングははっきりいってよくわからないし、個別株以上に売るタイミングが難しくありませんか?
私はインデックスファンドであっても、投資信託は適当なところで利益確定します。
あらかじめ、○○%の利益がでたら売却して利益を確定させると決めていました。
もしかすると、邪道なのかもしれません。
でも、投資信託は売り時がわからないので、あらかじめ利益確定水準を決めておくのです。
インデックスファンドは売ってはいけないという意見も多くあるようですが、売る売らないの判断は人それぞれ。
自分が納得しているのであれば、売却して利益確定しても何の問題もありません。
他人の意見に振り回されないようにしましょう!
今回は、インデックスファンドやアクティブファンドなどの投資信託に積立投資をしている場合の出口戦略(利益確定)について考えてみました。
目次
投資信託の売り時は個別株の売り時より難しい
株式市場は往々にしていきすぎます。高く評価されすぎたり、低く評価されすぎたり。
株式市場が好調なときには、低く評価されすぎてしまっている企業ってほとんどないかもしれないけど、リーマンショック後の株式市場には、明らかに低く評価されてしまっている企業がたくさんありました。
不況期ですから会社の業績も悪いし、まだまだ下がるかもしれないという思いがあって、なかなか怖くて投資できない時期でした。
でも、市場全体が悲観論で溢れかえっている時は、絶好の買い場なのです。
また、市場全体が熱に浮かされたように、どうってことない企業の株も騰がったりする時期もあります。
私はあまり経験したことはないけれども、2005年の秋以降は何でもかんでも株価が騰がっていたような記憶があります。
個別株投資の場合は相場が過熱してかなり割高になったら、その銘柄は通常は売ります。
もしくは企業価値を見積もっている場合には、その価値を上回る評価がされた場合はその時点で利益確定です。
自分が見積もった企業価値を超えて株価がガンガン騰がってる時は、もっと騰がるような気すらしてくるけど、欲深い気持ちを抑えつつ利益確定。
全部は売り切らないにしても半分以上は売ります。
企業価値を超えて永遠に騰がり続ける株はありません。ある程度の時間が経過したら適正価格に近い株価に落ち着くでしょうから。
でも、インデックスファンドにしろ、アクティブファンドにしろ、投資信託は割高なのか、割安なのかの判断ができなくないですか?
だから、投資信託の売り時は個別株の売りよりも難しいと思うのです。
投資信託の利益確定(売り時)のタイミングは?
インデックスファンドなどの投資信託の積立をしている投資家は多いと思います。
いつかは使うために積立投資をしているはずだけれど、いつ、どうやって売却していくのか考えて投資しているのでしょうか?
お金が必要になった時に適宜、売却していくという考え方もありますね。
もしかすると、あまり深く考えずに、とりあえず世界中の株式や債券に適度に分散投資して、売り時については後々考えれば大丈夫だろうという投資家も中にはいると思います。
配当金で生活している人や毎月分配型投資信託の分配金で生活している人のブログは見かけるのだけれど、投信積立の出口戦略を明示している人ってほとんど見かけません。
また、実際に資産を取り崩しながら生活している人のブログって見たことがないので気になります。
セゾン投信(バランスファンド)で利益確定したタイミング
現時点では投資信託の積立は教育費用として運用しているセゾン投信と老後資金用の確定拠出年金のみです。
そして、セゾン投信の運用資金の大半は数回にわけて売却し、利益確定させてます。
関連記事 セゾン投信での教育費積立と途中経過
では、どのようなタイミングで投資信託を利益確定したのかについて書いてみますね。
まず、積立を開始した後に、利益が〇〇%以上になったら段階的に売却して利益確定させていこうと決めていました。
積立を開始したのはリーマンショック前だったので、長らくは含み損の期間が続きましたが、世界的な金融緩和の影響でセゾン投信の基準価額も騰がり始め、当初予定していたところで、予定通りに段階的に売却していきました。
セゾン投信は売却後にも順調に値上がりしていたので、売却のタイミングをずらせばよかったかなと後悔したこともありましたけどね。
でも、今では利益確定しておいてよかったと思っています。
投資はブレないことも大事ですし、セゾン投信は教育資金の一部として使うお金なので、手堅く運用すると決めていますから。
買値から○%以上値上がりしたから、利益確定というのは自分の買値に縛られているからやってはいけない売り方だと言われたりします。
だけど、投資信託(インデックスファンドやアクティブファンド)では、そもそも割高なのか割安なのかすらの判断もできません。だって、ごちゃまぜだもの。
投資信託の投資先には、割高な企業もあれば、割安な企業もあると思うし。だから売り時というものがわからない。だから、買値を基準とした売却水準を設定してます。
長期でみれば右肩上がりとはいうものの、日本の株式市場を見ていると例外もあるのだなと思うし、長期投資は確実に儲かるわけではありません。
米国でも世界恐慌の時期(1929年くらいがピーク)から30年ほどの間は株価が低迷していました。あまり知られてはいないかもしれないけれど、そんな時期もあるのです。
関連記事 長期投資は確実に儲かるというのは幻想
お金が必要になった時に売ればよいという考えもありますけど、いざ必要になった時に株式市場が低迷し、巨額の含み損を抱えている場合には私は売るのが嫌になると思うのです。
たとえば、長期間コツコツと積立投資をしてきて、そろそろ利益確定して老後資金に充てようかという時に運悪く値下がりしていたら、かなり後悔します。
そうやって後悔するくらいなら、適度に利益確定しておいてもいいのではないかなと思うのです。
全部売却して利益確定してしまうと、今後も投資対象が堅調に推移した場合はこれまた後悔すると思うので、投資額の10%とか、20%とか決めておいてもいいかもしれませんね。
我が家の場合はセゾン投資の積立は教育資金として積立投資しているので、なおさら減ってほしくはありません。
教育資金って老後資金に比べると、必要になってくる時期が早いです。
子供が生まれてから大学入学まで18年もあるのだけど、なるべく手堅い運用をしていきたいと思っていたので、確実に利益を確定させておくことを優先させました。
このように、セゾン投信の場合はきちんと出口戦略を立てていたので売り時に困ることはなかったです。
その後、セゾン投資は全て利益確定しました。
関連記事 セゾン投信を利益確定!これでセゾン投信とはお別れです。
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老後資金用の投資信託の積立を終えた後の出口戦略(利益確定)はどうする?
労働からの収入がなくなった時点で、確定拠出年金を含む投資信託の積立を終えるつもりでいるのだけど、気になるのがインデックスファンドの売り方。
老後資金ということで、一括で売るという事はもちろんしないつもりだし、基本的には運用しながら少しずつ取り崩すということになるかと思います。
もちろん、最終的な目標は配当金での生活なので積み立ててきた投資信託を売却しないですむならそれが理想的だけど、確定拠出年金は売却しなければいけませんから、受け取り方については税金のことも含めてよく考えないといけない。
毎月定額で取り崩すのか、定率で取り崩すのか、それとも相場の変動に合わせて取り崩す額や率を変えるのか。どのやり方がいいのか全くわからない。
難しいのが評価額は日々変動するということ。
世界経済が順調で株式市場も右肩上がりであれば、運用している資産も増えていくので生活費のために売却するのも躊躇なくできる。
だけど、リタイア後にリーマンショック級の暴落があったら、最悪としか言いようがありません。
リタイアしているので、新規に買い付けるお金もないだろうし。リスク資産の評価額もガッツリと下がっているでしょう。
そんな時に生活費のために売却しなければならないとなると、ちゃんと売却できるのだろうかという不安もある。
当初想定していたよりも市場の低迷が長引けば、寿命が来る前に引き出し額が多すぎて運用資産が底をついてしまうかもしれない。
その点、配当金生活であれば配当金がきちんと支払われることだけを考えていればよいので売却する必要はありません。
出口戦略を考えると、老後の生活費を配当金で賄う配当金生活は、株式市場の暴落があったとしても資産を売却する必要がないのでストレスがないように思います。
関連記事 毎月配当金を受け取れるポートフォリオ
でも個別株投資は銘柄選びを間違えると最悪ゼロになってしまう可能性も当然ながらある。でも、大概は避けられると思うけれども。
インデックスファンドの積立ではゼロになってしまうことはない。
だけど、インデックスファンドの積立では出口戦略をきちんと練ってないと、資産を取り崩す時に困る。
どちらの投資法をとっても、それぞれメリット、デメリットはありますね。
インデックス投資の大物ブロガーの水瀬さんの著書は出口戦略について書かれてあります。
私とは異なる考え方ですが、15年間継続して積立してきた方の考え方はとても参考になりました。
まとめ
投資信託の積立は手間もそんなにかからないし、低コストの投信も増えてきたので手堅い投資法だと思ってます。
だけど出口戦略も考えておかないと、後々困るんですよね。
積立投資の本を読んで、自分なりにどうしたらいいのか戦略を立てておくことをお勧めします。
私の場合は、必要になるまでの期間が10年をきるのであれば、適度に利益確定していくという方法をとります。
ただし、20代の人が老後資金のように40年近く先に必要になる資金を投資信託で積立しているのであれば、利益確定せずにそのままコツコツと積立を継続して運用するのもありですね。
積立て投資を継続することの大切さがわかる書籍です。まだ読んでいないのであれば、読んでみることをおすすめします。
なぜ、積立て投資の終わりで大きく儲かるのか?がわかると思います。
含み益が増えてきて株式市場にも過熱感が見えてきたら、どうしても売りたくなる人も出てくるかと思います。
その時は、自分が納得できる金額だけを利益確定させてしまうというのもありなんじゃないかなと私は思うのです。
下がってしまって後悔するよりは、一部分だけでも利益を確実に手にしておくと、穏やかな気持でいられます。
まぁ、人によって考え方は色々なので、投資資金が必要になるまでは絶対に売却してはならないと主張される方もいらっしゃるとは思いますけど、私は後々基準価額が下がってしまって売らなかったことを後悔するよりは、少しでも売却して利益確定しておくのは心の平穏を保つためにも必要なことだという考えです。
稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければ、利益の大半を取りこぼしてしまうという説もありますから、市場タイミングに賭けて全部売却してしまうのはあまりオススメではないですが。
投資のプロですら相場動向を見極めるのは無理なので素人にはタイミング投資はできません。
一方で、連続増配企業に投資して受け取った配当金で生活するのだとしたら、資産を売却する必要がないので出口戦略について考える必要は特にないと思ってます。
投資先の企業については、よく考える必要はありますけどね。
投資信託の売り時については、確定拠出年金での積立分も含めてまだまだ考える必要がありそうです。
そうやって、あーでもない、こーでもないと考える時間がまた楽しかったりもします。
[最終更新日]: 2021/06/02