キャッシュポジションの適正比率は?バークシャーの現金比率も紹介

 

キャッシュポジションとは何のことでしょう?

 

キャッシュポジションとは?

キャッシュポジションとは手元流動性のことで、投資に回していないお金のこと。

 

ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガー率いるバークシャー・ハサウェイは少しずつ現金比率(キャッシュポジション)を増やしています。

 

一方で、個人投資家の現金比率は2017年時点では20年ぶりの低水準なのです(ネッド・デービス・リサーチの調べ)。

バークシャーと個人投資家では全く正反対な結果に。

 

2017年時点でもバフェットは現金を積み上げていましたが、2020年3月末のバークシャーのポートフォリオを見ると、さらに現金を積み増しています。

詳しくは後述します。

 

そもそも万人に共通するキャッシュポジションの最適解なんていうものはないのだけど、バフェットの動向はやっぱり気になります。

 

バフェットと個人投資家のどちらが正しい行動なのかは現時点ではわかりませんが、多数派であれば株式投資では大きく勝つことができません。

 

みなさんの現金比率(キャッシュポジション)ってどんな感じなのでしょう?

 

 

個人投資家のキャッシュポジション(現金比率)と株価推移

 

個人投資家がキャッシュポジションを高める時というのは、株式市場が好調で買えば儲かる状態にあるときでしょう。

投資しておけばお金が増えるんなら、現金にしておくのはもったいないと感じますからね。

 

2017年の個人投資家のキャッシュポジションは20年ぶりの低水準

 

ネッド・デービス・リサーチの調査結果では、個人投資家の現金比率は20年ぶりの低水準なのだそう。

 

米S&P500種株価指数が今年すでに13回も終値ベースで最高値を更新していることを踏まえれば、株式の価値がその他のいずれの資産と比べても20年ぶり高水準にあることに大きな驚きはない。ただ今回の調査は投資家の熱狂を浮き彫りにし、相場変動に左右されにくい現金などと比べ株式が高水準を保っていることを示している。

引用元:Bloomberg(2017年3月9日の記事)

 

 

1998年も個人投資家のキャッシュポジションは低かったが、2年後にITバブルがはじける

 

1998年にも同じように個人投資家の現金比率が低かったのですが、その後の株価推移を見てみましょう。

 

1998年以降、現在までのS&P500の株価推移です。

このグラフだと少々わかりづらいので、1998年前後のチャートを見てみます。

個人投資家の現金比率が低かった1998年頃は株価が右肩あがり。

そして、その2年後の2000年のITバブルをピークに株価は下落を始めます。

 

キャッシュポジションが低い状態で2000年に突入するとITバブルの崩壊で損失を被った人も多かったかもしれません。

 

約3年間の下落の後、2007年のサブプライムショック発生まで株価は上昇を続けていました。

 

 

2020年2月下旬から3月にかけてのコロナショックで個人投資家はキャッシュポジションを高める

 

コロナショックが発生する前は、株式市場は堅調だったので現金にしておくのは機会損失という意見もありました。

 

でも、実際にコロナショックで株式市場が暴落すると個人投資家は慌てて現金化していたようです。

バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が17日に公表した3月の機関投資家調査(6~12日実施)によると、新型コロナウイルスの感染拡大や原油価格の急落、信用リスクの高まりなどを背景に、投資家が極端に弱気な持ち高に傾いているのがわかった。投資家の多くは株や債券など金融資産の売却を急いでおり、現金の保有比率を急速に高めている。

 

 

バフェット率いるバークシャーのキャッシュポジションの推移

 

投資の神様といわれているバフェットの動向は気になるので3か月ごとにポートフォリオを調査しています。

 

バフェットはここ数年はどちらかというと株式は売却しており、現金を積み上げているんです。
コロナショックではさすがに買っているのだろうと予想していたら、大ハズレ!

大きく売り越していました。

 

 

バフェットが現金を積み上げ始めたのは2016年からです。

保有する現金の推移を見てみましょう。

 

バークシャーの2017年2Qでの現金は1000億ドル!

 

個人投資家の現金比率が低下している一方で、2017年のバークシャーの現金は積みあがっています。

 

バフェットに関する書籍を読んでみても、何もすることがないときは現金を積み上げておくという発言が書かれてあり、今はまさにその時なのでしょう。

 

出所:Bloomberg

 

バフェットが現金を積み増ししていることから、今は投資に最適な時期ではないのであろうことは想像できます。

実際にリーマンショックが発生したときは、かなり買っていました。

 

 

その後もバークシャーは現金を積み増しています。

20174q バークシャーのキャッシュポジション

 

バークシャーの2019年2Qも現金を積み上げている

 

また、2019年2Qのバークシャーの現金は1200億ドルを超えました。

この1200億ドルの現金というのは、バークシャーにとって過去最高水準のキャッシュポジションとなります。

 

 

バークシャーの2020年1Qは過去最高の現金を保持。現金比率は?

 

コロナショックによる株式市場の暴落でもバフェットは売り越し。
そして、保有する現金は過去最高の1370億ドルです。

バフェット現金2020

出所:bloomberg

 

保有する株式の2020年3月末時点での時価が1755億ドルなので、保有する株式と現金の比率は43%ほどになるので、かなりキャッシュポジションは高い状態です。

 

 

しかし、バークシャーの総資産である約7600億ドルからするといつもと大して変わらず、20%未満です。

 

 

株式の絶好の買い場に備えてキャッシュポジションはあった方がいい

 

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術にも書かれてあるように、株式投資の絶好の買い場は下記の4つ。

 

株式投資の絶好の買い場
  1. 相場全体の暴落や調整
  2. 全般的な景気後退
  3. 個別企業の特殊要因
  4. 企業の構造変化

 

くわしいことは、株式投資での絶好の買い場が訪れる4つのケースの記事を読んでみてください。

 

 

まだ下がるなら売って現金にしておいた方がいいし、騰がるなら買った方がいいし。

投資判断は難しいですよね。

 

米国の優良情報サイトであるモトリーフールでは、コロナショックのような暴落における対処方法に関するアドバイスなども書かれてあり、とても参考になります。

定期的に買い増しできる人へのアドバイスや多くの現金や投資余力のある人へのアドバイスなども記事になっていますよ。

 

米国株の動向だけでなく、日本株や確定拠出年金(iDeCo)についての情報が満載なので参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

キャッシュポジションについてのまとめ

 

ハワード・マークスは自身の著書である投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識の中でこう述べています。

 

投資の世界で最も重要な学問は会計学でも経済学でもなく、心理学である。

カギとなるのは、いま現在、投資をしたがっている人としたがっていない人について知ることだ。将来の価格変動は、投資したいと思う人がこの先増えるか減るかで決まる。

投資は一種の人気投票であり、最も危険なのは人気の絶頂にある資産を買うことだ。ピーク時にはあらゆる好材料や好意的な見解が価格に織り込み済みであり、それ以上新しい書い手は現れない。

最も安全で、最も高い収益性が見込まれる投資をするには、誰も欲しがらないものを買えばよい。時間とともにその資産の人気や価格が変わるとしても、上方にしか行かないからだ。

引用元:投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識

 

個人投資家の現金比率が過去にないほど低下しているという時は、投資したい人が多いということ。

あまりにも現金比率を高めてしまうと、株価が右肩あがりのときは機会損失ということになるので難しいところ。

 

短期の株価予想というものは、バフェットでも、マンガーであってもできません。

株価に対しての価値が適正であると判断すれば買いなのですが、これまた難しい。

 

ハワード・マークスが言うように、証券市場における地合いの動きは、振り子の振動によく似ているので、常に今はどの地点に振り子がいるのか?ということを意識しながら投資しなければなりません。

 

あなたはどう行動しますか?

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[記事公開日]: 2017/09/12
[最終更新日]: 2020/06/01
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