長短金利差とリセッションの関係とセクターローテーション – 長期投資でのんびり資産運用

長短金利差とリセッションの関係とセクターローテーション

長らく続いている米国の景気拡大ですが、最近は緩やかな金利上昇局面にあるためにディフェンシブ株が軟調です。

2018年1Qの決算も好調な企業が多く、今のところは景気後退の兆しはみられていないようですが、米国でリセッション入りする時期はそう遠くないと予言(?)する人も多い模様。

リセッション(景気後退)入りするかどうかの予兆として、イールドカーブのフラット化が目安になるかもしれません。

イールドカーブ
縦軸に最終利回り、横軸に債券の残存期間を取ったグラフ上に、(同一発行体の)債券の最終利回りと残存期間に対応する点をつないだ線をイールドカーブ(利回り曲線)といい、代表的なものが「国債イールドカーブ」です。残存期間の長短による利回り格差を分析する際に利用します。

ワンポイント
通常、長期金利は短期金利を上回っており、イールド・カーブが右上がりの曲線となっている状態を順イールドといいます。逆に短期金利が長期金利を上回り、イールドカーブが右下がりの曲線となっている状態を逆イールドといいます。 イールドカーブはマーケットの将来の金利予想が反映されています。

引用元:SMBC日興証券

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米国の長短金利差はどうなってる?

S&P500推移と長短金利差

長短金利差とS&P500の推移についてグラフにしてみました。

S&P500指数に注目してみると、1987年10月19日にブラックマンデーと呼ばれる史上最大規模の株式の大暴落(下落率は1日で22.6%)があったのですが、今振り返ってみると誤差の範囲内です。

さすがにITバブルが弾けたときと、リーマンショック発生時はかなりのインパクトですが、今から50年後に長期チャートを見てみると、これらの株式市場の暴落も誤差の範囲となっているのかもしれません。

米国の株式市場はいつも力強いですね。

長期投資が将来的にも報われるだろうと思わせられるチャートとなっています。

さて、本題に入ります。

米国債の長短金利差ですが、ここでは米国債10年利回りー米国債2年利回りとしています。

また、薄いグレーの網掛け部分は米国のリセッション時期です。

よく見ると、確かに長短金利差がマイナス(0を下回る)になった後にしばらくして、リセッション入りしていることが多いです。

2018年4月時点での長短金利の差は0.49であって、まだマイナスにはなっていません。

でも、少しずつ長短金利差は小さくなってきています。

近いうちに長短金利差がマイナスになるかもしれません。そして、しばらくしてからリセッション入りということになる可能性もあるので、定期的にウォッチしておくのがよいかもしれませんね。

景気拡大期には弱い?ディフェンシブ株

業績が景気に左右されにくいのがディフェンシブ株です。

有名どころでは、コカ・コーラやマクドナルドなどの食品株、P&G、コルゲート・パルモリブ、ユニリーバなどの生活用品株、ベライゾンやAT&Tなどの通信株やタバコ株や公益事業株などがディフェンシブ株といわれています。

安定運用を好むのであれば、配当金を受け取りながらのんびりと長期で保有しておくには最適だと思います。ディフェンシブ株には連続増配企業も多いですし。

こういったディフェンシブといわれる企業の製品は景気後退局面でも、人々に使い続けられますから、業績のブレが比較的小さく、赤字にもなりにくい。

そのため、景気後退局面で株価は景気敏感株などに比べて下落率は低いです。

だけど、ここ数年のような景気拡大期には業績の急拡大は期待できないので株価の急上昇も見込めません。

また、景気拡大期に原油などのエネルギー価格の高騰によってインフレ率も上昇してくると、インフレ抑制のために金融引き締め策がとられるようになります。

ディフェンシブ株の配当利回りと米国債の利回りを比較して、ほとんど変わらないのであればよりリスクの少ない米国債に投資する方が安全ですから、ますますディフェンシブ株が買われなくなります。

まさに今がそういう状況なのかもしれません。

米国債10年利回りとAT&Tの株価推移

AT&T株価と米国債10年利回り

AT&Tの株価推移と米国債10年利回りをグラフにしてみました。

米国債の利回りが高くなったときは、ディフェンシブ株であるAT&Tの株価は軟調だったのでしょうか?

このグラフを見る限りでは、よくわからないです。

長短金利差とAT&Tの株価推移

AT&T株価と長短金利差

AT&Tの株価推移と長短金利差をグラフにしてみました。

ディフェンシブ株だといっても、やはり景気後退期(リセッション)にはかなり株価も下落しています。

ITバブル後のリセッション時には大暴落といっていいほど下落してますから、本当にディフェンシブ株は不景気に強いのかと疑いたくなるレベル。

Sector-Returns-FY-2017

Source: NovelInvestor.com

しかし、S&P500のセクター別リターンをみてみると、景気後退期であった2008年は、やはりディフェンシブといわれている生活必需品やAT&Tなどの通信セクターはS&P500指数に比べ下落率は低かったことがわかります。

今回はAT&Tしか調べていませんが、P&Gやコカ・コーラなどではまた違う結果になるのかもしれません。また、後日調べて記事にしてみます。

ディフェンシブ株の魅力は配当金!

ディフェンシブ株は急激な業績拡大するようなものではないので、値上がり益はあまり期待できないけれども、高配当株が多いです。

リセッション入りして、株価が下がれば減配がない限りは配当利回りは高くなります。

AT&T配当利回り

出典元:Gurufocus

AT&Tの配当利回りを見てみると、リーマンショック後のリセッション時には配当利回りは7%を大きく超えるときもありました。

税金を考慮しなければ、15年あれば配当金のみで元本を回収できることになります。

元本を回収できてしまえば、あとは定期的にお金を運んでくれるキャッシュマシーンとなります。まさにお金の生なる木ですよ!

ディフェンシブ株への投資は、急いでお金持ちになりたい人には向かない投資法かもしれないけれども、時間をかけてゆっくりとお金を増やしたい人には向いていると思います。

誰でも短期間でお金持ちになりたいですが、そんなに簡単なことではありません。

凡人は身の丈を知り、ゆっくりとお金持ちを目指せばいいのです。

相場のサイクルについて

リセッション入りが近いかもしれないと思われるときには、ディフェンシブ株への投資の割合を増やして配当金を確保し、株価が底打ちしたと思われるならば、次の景気拡大期に備えてディフェンシブ株から景気敏感株へ乗り換えるというような投資もあります。

このような投資法は、セクターローテーションに注目した投資といっていいでしょう。

セクターローテーション

もう中古でしか手に入りませんが、ジム・クレイマーの全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦には、相場サイクルとトレーディング戦略という図があってセクター毎に投資すればよい時期が書いてあります。

景気の減速がはっきりしてきたら、どういったセクターの売買をすればよいかなども書かれてありますので、わりと参考になりますよ。

他にも、相場ローテーションを読んでお金を増やそうにも米国の金融政策と景気循環の関係について書いてありますが、ジム・クレイマーの本の方がおすすめです。

セクターローテーションの手法を取り入れるには、マクロ経済の見通しなどから景気の先行きを予想しながら投資していかなければならず、豊富な知識と経験は必要なので難しいです。

配当金再投資戦略と違って、誰もが実行可能な投資法ではありません。

投資家心理のサイクル

下記の図は投資家心理のサイクルです。

これを今の投資家心理にあてはめてみると、どこの位置にあるのかを考えながら投資してみるのも面白いと思います。

相場サイクル

出典元:forbes

投資家心理について以前に記事にしています。

関連記事 投資家心理を考慮しつつも配当金再投資で投資収入を増やす!

投資法は数多くあるので、いくつか試してみて自分にあった投資法を見つけることをおすすめします。

まとめ

長短金利差はリセッション入りのおおまかな目安にはなるかもしれないので、定期的にチェックする価値はあるのでしょう。

今は景気拡大期なのでディフェンシブ株が売られやすい状況にありますが、これがずっと続くわけではありませんし、景気後退期や停滞期にはディフェンシブ株は他のセクターに比べて買われやすいです。

その時期がくるまでは我慢でしょうか。

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